2014 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯・温帯域のトゲダニ目の多様性研究と記載分類学者養成への取り組み
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23570102
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
高久 元 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40236203)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 分類学 / 生物多様性 / トゲダニ目 / 記載分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は国内では北海道産マルハナバチ類に便乗するトゲダニ目の採集,分類学的研究,および土壌性捕食性トゲダニ目の分類学的研究を主体に行った。北海道内14地点でマルハナバチ便乗性トゲダニ類の調査を行った結果,3科3属9種のダニ類が発見され,いずれも道内に広く分布するものと考えられる。いずれの種も少なくとも本邦初記録であり,一部は未記載種の可能性もあるが,標本数が少なく種レベルの同定に至っていない。今後タイプ標本との比較などを行い,種を確定し論文作成を行う予定である。これらの成果は岩手県盛岡市で開催された第23回日本ダニ学会で報告した。土壌性捕食性トゲダニ類に関しては,害虫の生物防除に利用可能な土着天敵を探る中で発見されたマヨイダニ科のクビレマヨイダニProtogamasellus micaの記録およびオスの初記載に関する論文を日本ダニ学会誌に投稿し,登載が決定している。 海外ではインドネシア・カリマンタン(ボルネオ)のハエダニ類に関して,インドネシア科学院のディアン氏,ハルティ二と共同で分類学的研究を進め,これまでに,4属35種のハエダニ類を確認できた。35種のうち13種はカリマンタン初記録であり,6種は未記載種であった。一部の種に関しては日本動物分類学会誌Species Diversityで公表済みである。ハルティニ氏とはニューギニア島のハエダニ類について調査を行い,3属18種のハエダニ類を確認できた。うち半数以上がニューギニア固有種であり,インドネシアの中でも固有種率の高い地域であることが改めて明らかになった。 インドネシア産ハエダニ類に関してはチェックリストを作成,投稿中であり,インドネシアのハエダニ相解明が飛躍的に進んだ。 分類学者養成に関しては,日本では共同研究者の齊藤美樹氏,インドネシアではディアン氏が記載分類に取り組み,論文も共同で作成している。
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Research Products
(8 results)