2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23570110
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上島 励 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20241771)
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Keywords | 種多様性 / 分類 / パラオ |
Research Abstract |
パラオ諸島において、自然林の破壊が最も激しいペリリュー島で陸貝の生息状況を再調査した。その結果、1950年以降に採集記録がなく絶滅したと考えられていた陸貝3種を再発見し、これらの種が狭い範囲において現在でも生息していることを確認した。しかし、過去に採集記録のある4種の陸貝は再発見されず、同島では絶滅した可能性が高いことが確認された。この内の1種は分類学的位置に問題があったが、半化石状態の古い死殻が得られたため、近似種と詳細な比較を行って、固有種であることが確定した。昨年の調査では、ペリリュー島に固有の絶滅種と考えられていた種が別の島から再発見されており、さらに調査範囲を広げて生息状況を調査することが必要であると考えられる。 パラオ諸島に生息するベッコウマイマイ科およびゴマオカタニシ科についても分類学的な検討を行った。その結果、2種のみが知られていたゴマオカタニシ科には、少なくとも6種がパラオに生息していると考えられ、予想以上に種多様性が高いことが判明した。また、ベッコウマイマイ科では、未記載種が発見された一方で、広域分布する3種に著しい地理的変異があることが分かり、分類体系の見直しが必要であることが判明した。 パラオ固有陸貝で最も多様性の高いゴマガイ科について、分類を再検討した論文をZootaxa 3747(1):1-71に発表した。本論文では、属レベルの分類を大幅に改定し、12新タクサを記載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究内容の一部が他国の研究者と競合していることが判明したため、本年度は論文の発表を優先した。
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Strategy for Future Research Activity |
国外の博物館調査を行うとともに、これまでの研究成果をとりまとめて論文として発表する。また、競合する部分については共同研究を行う方向で議論している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究内容の一部が国外の研究者と競合していることが判明したため、今年度は論文の発表を優先した。 今年度に実施する予定であった海外調査は、平成26年度に全て実施し、全ての研究を完了する予定である。競合する分野の一部については共同研究を行うよう準備を進めている。
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Research Products
(2 results)