2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23570126
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 和範 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70270410)
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Keywords | 国際研究者交流 / ロシア |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまでの調査などによって国立科学博物館に蓄積されている標本と新規採集標本に基づき、本州北東沖の日本海溝を中心とした深海性(漸深海帯から深海帯)腹足類の分類学的研究を行い、最終的に成果を新種の記載を含むモノグラフとして纏めるとともに生物地理的な考察を行うことである。 3年目となる25年度では、引き続き、蓄積されている標本の検討を進めると同時に、前年度に引き続いてロシアの研究所に保存されている標本の調査を行い、またイギリス自然史博物館に保管されている深海調査船で日本周辺から採集されたタイプ標本などの検討を行った。まず既存標本の検討では、標本を形態学的に精査して種レベルで分別する作業を進めた。種レベルの同定においては、主に貝殻の形態に重点を置き、写真の撮影などを行った。また、Trochidaeニシキウズガイ科の一部(ハズレシタダミ類)では、東京大学大気海洋研究所のとの共同研究で分子系統解析に基づく同定の見直しも行った。海外の博物館の標本調査では、昨年度の調査で日本海溝とその周辺海域の標本が特に多く蓄積されていることが分かったモスクワのロシア科学アカデミー海洋学研究所において追加調査を行い、さらに多くの未同定標本を見出した。ロンドンの自然史博物館では、黎明期に日本周辺の深海域からChallenger号やSylvia号などによって採集され、新種として記載されたタクサのタイプ標本も詳しく検討した。特にSylvia号の標本については、これまでほとんど再検討しておられず、多くの再発見があった。これら海外博物館における標本調査では、フォーカスを変えた多数の画像を撮影し、研究室で深度合成して実際の所蔵標本との比較検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4年の計画で、最終的に成果をモノグラフとしてまとめることを目指している。3年目となる本年度では、既存標本の形態に基づく分類学的研究と、引き続き海外の博物館に保管されているタイプや比較・参考標本の調査が中心となっている。現時点では上の概要に示したように、それらに沿って計画通りに進んでいるとみなされる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる第4年度では、分類順に継続してきた所蔵標本の形態学的および分類学的検討の完了を目指すとともに、これまで海外の博物館所蔵標本の調査によって蓄積されてきた膨大なデータを統合して、種レベルの詳しい同定、対象海域および周辺海域での分布の解明、近似タクサとの比較などの知見を統合する。予備的な成果は、今年10月にロシアのウラジオストックで開催される国際学会などにおいて発表し、関連研究者との情報交換を行う。また、年度内に一部の成果を公表するとともに、腹足類全体のモノグラフ製作を取り進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品の購入価格が事前の見積もりよりも安かったため。 物品(消耗品)の購入に充てる。
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Research Products
(2 results)