2013 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン類似タンパク質MNSFβの翻訳後修飾機構に関与する酵素群の精製と応用
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23570138
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中村 守彦 島根大学, 産学連携センター, 教授 (20155865)
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Keywords | ユビキチン類似タンパク質 / 結合酵素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ユビキチン化に準ずるMNSFβ化を触媒する酵素群を単離・精製・cDNAクローニングしてそのシステムを明らかにし、他のユビキチン類似タンパク質およびユビキチン化システムとの共通点と相違点を明確にすることである。 ユビキチン様タンパク質MNSFβの標的タンパク質への結合を触媒する酵素をマウス肝臓から精製を試みた。肝臓溶解物から陰イオン交換クロマトグラフィーDEAEにより目的の酵素含有分画を得た。次に、この分画成分をGST-MNSFβ融合タンパク質カラムとATP存在下で反応させた。続いて、カラムに結合したタンパク質群をトロンビン消化した。最終反応物をSDS/PAGE電気泳動およびウェスタンブロット法により解析したところ、MNSFβとイソペプチド結合または非共有結合するタンパク質を複数確認した。それぞれのタンパク質につき質量分析 (TOF-Ms)を実施したところ、その中にユビキチン結合酵素E3に相同性を示す新しいタンパク質を認めた。さらに、MNSFβ結合に関与すると考えられる新規シャペロン分子も同定してcDNAクローニングした。これらの組換え型タンパク質を使用して、MNSFβ結合実験を試みたところ、heat shock proteinの仲間であるこの新しいシャペロン分子が凝集性の強いMNSFβを安定化するのに寄与することを見出した。 加えて、アポトーシス制御に強く関与することを認めた。 今後、さらにMNSFβ化システムの詳細を検討し、発がん制御の仕組みを解明するとともに、ユビキチン化システムとの比較検討を継続する。
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