2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト基本転写因子TFIIEのNMR法による全長構造の解明
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23570144
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥田 昌彦 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 特任助教 (60448686)
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Keywords | 基本転写因子 / 転写 / タンパク質 / 立体構造 / 溶液構造 / NMR |
Research Abstract |
基本転写因子は、RNAポリメラーゼIIを転写開始領域に正しく位置づかせ、最終的にメッセンジャーRNAを合成可能な状態に活性化するまでの一連の過程を担う大変重要なタンパク質である。現在、RNAポリメラーゼIIと基本転写因子から構成される生体超分子複合体(転写開始装置)の立体構造モデル化が世界中で進められている。 基本転写因子の一員であるTFIIEは、天然変性領域を広く含む等の問題によりうまく結晶化できずX線結晶構造解析の見通しは全く立っていない。そこで本研究は、溶液中の立体構造を決定することができるNMR法を用いて全長構造の解明を目指す。TFIIEは(αβ)異種二量体で分子量が約8万4千のため解析が大変困難であるが、得られる成果は転写開始装置の構造モデル化を通し、立体構造に基づいた転写開始機構の解明に多大に貢献することが期待される。 大腸菌の共発現系から調製した13C, 15N標識、および2H(100%), 13C, 15N標識全長TFIIEαβ複合体を用いて、種々の多次元NOESY実験を実施した。得られたスペクトルを解析し、水素原子間距離情報を収集した。また、重水素交換実験から水素結合情報を得た。さらに、帰属した化学シフトから主鎖二面角を見積もった。これらを制限情報とし、Xplor-NIHプログラムを用いてシミュレーティッド・アニーリング法により立体構造を計算を行し初期構造を得た。併行して、立体整列同位体標識(SAIL)法の導入を進め、大量調製法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、平成24年度において、 1.二面角、水素結合の解析 2.立体構造計算、初期構造の算出 3.構造の精密化、及び最終構造決定 4.構造未決定領域の構造解析 としていた。1~3については、ほぼ計画通りに研究を進めることができた。4は、着手はしたが、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子量であるTFIIE複合体に対しても、領域によっては従来の方法で立体構造決定が可能であることが分かった。従って、そのような領域については、立体構造計算、精密化を進め最終構造を決定する。一方、従来の方法では立体構造決定不可能な領域に関しては、3つの新技術、(1)非線形サンプリング法、(2)立体整列同位体標識(SAIL)法、(3)メチル基-TROSY法、を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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