2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23570155
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
秋山 正志 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30298179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小亀 浩市 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40270730)
武田 壮一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80332279)
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Keywords | ADAMTS13 / 結晶構造 / 酵素動力学 |
Research Abstract |
日本人の10人に1人がヘテロで持つ東アジア人特有のADAMTS13遺伝子P475S変異は、保因者のプラズマVWF切断活性の低下を引き起こす。その分子機構を解明するために、P475S変異型ADAMTS13のDTCS(残基 287-685)を発現・精製して結晶構造を決定し、我々が以前に決定した正常型DTCSの構造と比較した。その結果、P475S変異型DTCSでは変異Ser475が存在するCAドメインのVループが局所的に構造が正常型と異なっており、正常型に比べると周辺残基の相互作用が減弱しており、正常型に比べてループ構造が不安定化していることが明らかとなった。P475S変異型MDTCS(残基 75-685)の蛍光ペプチド基質(FRETS-VWF73)の切断速度は正常型MDTCSとほぼ等しい反面、FRETS-VWF73に対する親和性は正常型のほぼ半分に低下していた。このことからP475S変異によってVWFとの相互作用が低下し切断効率が低下すると考えられた。P475S変異型MDTCSの活性は野生型と較べて熱や変性剤に対して不安定であった。一方、P475S変異型MDTCSのin vitroにおけるずり応力下でのVWFマルチマー切断活性は正常型の70%程度の活性を示し、P475S変異は先天性血栓性血小板減少性紫斑病の原因変異ではないというこれまでの結果と一致した。本研究は2013年度にJournal of Thrombosis and Haemostasis誌に発表した。
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Research Products
(2 results)