2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトMATE型輸送体の構造と機能及びトランスポートソーム
Project/Area Number |
23570168
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
大塚 正人 摂南大学, 薬学部, 教授 (30243489)
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Keywords | トランスポートソーム |
Research Abstract |
腎臓の糸球体における薬物の排出は厳密に制御された機構により調節されていると予想される。すなわちMATEが何らかの活性調節を受けている可能性が示唆される。また、MATEのC末端付近には比較的長大な可溶性の部分が存在している。この仮定に基づきMATEの親水性領域等に相互作用する制御分子を探索した。そして、それらのタンパク質遺伝子をクローニングし、MATEとの相互作用を詳細に調べてみたところ、確かに in vitro で相互作用していることが確認された。実際には、podocalyxinが腎臓の近位尿細管刷子縁膜でMATE1と共局在していることが明らかになった。また、NHE3とNHERF2もMATE1と腎臓近位尿細管刷子縁膜上で共局在していることが明らかになった。これらの免疫組織化学的な検討の結果から、腎臓の近位尿細管刷子縁膜でMATE1、podocalyxin、NHERF2、NHE3が図3に示すようなトランスポートソームを形成している可能性を見い出した。この結果は、MATE1がNHE3によって生み出されるH⁺勾配を効率的に利用している事を示しており、NHE3を介してMATE1が機能調節されている可能性を示唆する。podocalyxinが腎臓の近位尿細管刷子縁膜でMATE1と共局在していることが明らかになった。また、NHE3とNHERF2もMATE1と腎臓近位尿細管刷子縁膜上で共局在していることが明らかになった。これらの免疫組織化学的な検討の結果から、腎臓の近位尿細管刷子縁膜でMATE1、podocalyxin、NHERF2、NHE3が図3に示すようなトランスポートソームを形成している可能性を見い出した。この結果は、MATE1がNHE3によって生み出される勾配を効率的に利用している事を示しており、NHE3を介してMATE1が機能調節されている可能性を示唆する。
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