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2011 Fiscal Year Research-status Report

免疫応答の成熟に伴う抗体の構造・機能変化とそのメカニズムの解析

Research Project

Project/Area Number 23570169
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

清水 健之  高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (10339137)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords免疫学 / 抗体 / 免疫応答成熟 / 抗原親和性 / 免疫記憶 / 体細胞突然変異
Research Abstract

本研究は、免疫応答の成熟に伴う抗体の構造や機能の変化と後期抗体の産生メカニズムを解明することを目的とする。生体内で産生されている抗体の特徴を解明するためには、抗原特異的な抗体産生細胞を分離して解析する必要がある。ところが、抗体産生細胞へ最終分化したB細胞は細胞表面の抗原受容体の発現を失っており、それを選別して分離することは従来行われていない。そこで、抗体産生細胞の分離法の確立し、得られた抗体遺伝子の解析を行った。1、C57BL/6マウスの抗(4-hydroxy-3-nitrophenyl) acetyl (NP)抗体は、VH186.2の重鎖とλ軽鎖を用いているものが多い。NP-CGGで免疫したマウスの脾細胞から抗体産生細胞を磁気標識法によって分離し、抗IgM抗体と抗Igλ抗体で細胞内染色して、これらの抗体を発現している細胞をセルソーターで分離した。ここからVH186.2遺伝子をPCRで増幅し、プラスミドベクターにクローニングして塩基配列を解析した。その結果、IgM陽性細胞からも高親和性抗体に特徴的な突然変異を含む遺伝子が多く得られた。2、細胞をNP化した後培養すると、抗NP抗体産生細胞では分泌された抗体が細胞上に結合する。この分泌抗体を検出すること(affinity matrix法)でNP特異的抗体産生細胞を標識することが出来た。しかし感度的に充分でなく、それをセルソーターで回収することは困難であった。次に、細胞を直接NP化するのではなく、ビオチンとNP化ストレプトアビジンを用いることで感度を増強できることを見いだした。これによってマウス脾細胞中のNP特異的抗体産生細胞を固定化すること無く標識することが出来た。ELISPOTによって抗NP抗体産生細胞が分離されたことを確認した。この方法はNP以外にも様々な抗原特異的抗体産生細胞を検出、分離する手段に応用できると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初抗原特異的抗体産生細胞の分離方法として、affinity matrix法を試みた。しかし十分なシグナル強度が得られず、信頼性のあるデータが取れなかった。そこでこの方法の改良を試みると同時に、代替手段として細胞内染色によるNP特異的抗体産生細胞の分離を行ったため、時間がかかった。現在いずれの方法からもデータを収集しつつある。次年度に予定していた組換え抗体の作製と並行して行うことで、遅れを挽回する。

Strategy for Future Research Activity

1、後期抗体の構造解析:昨年度に引き続き、抗体産生細胞を分離して抗NP抗体遺伝子解析を行う。IgM型後期抗体の遺伝子レパートリーを、初期抗体やIgG型後期抗体の特徴と比較することで明らかにする。2、組換え後期抗体の作製:得られた遺伝子情報をもとに、抗NP IgM型後期抗体を発現させるためのプラスミドベクターを作製する。ミエローマ細胞株に遺伝子導入することにより、組換え抗NP抗体を産生させる。培養上清から抗原カラムによって抗体を精製する。1の遺伝子解析と並行して行うことで、研究の迅速化を図る。3、後期抗体の機能解析:作製した後期抗体のNPに対する親和性を測定する。NP価数の異なる抗原を用いたELISA法による親和性測定法によって、NP親和性を初期抗体と比較する。また、表面プラズモン法を用いて抗原との相互作用の物理化学的パラメーターの測定を行う。抗体としての機能を解析するために、赤血球溶血反応を用いて補体系古典経路の活性化を測定する。これについては研究の進行状況に応じて次年度に行うことも考えられる。以上の実験を初期抗体と比較して行い、後期抗体の機能的特徴を明らかにする。4、後期抗体産生細胞とB細胞サブセットの関連:セルソーターによって抗NP抗体産生細胞を分離し、細胞表面マーカーや遺伝子発現パターンなどの表現型を解析する。これをメモリーB細胞やB-1細胞、marginal zone B細胞などのB細胞サブセットと比較する。また、これらのサブセットの抗体遺伝子の構造的特徴を、後期抗体の特徴と比較して類似点を検索する。これにより、後期抗体を産生している細胞がどのような経路で分化しているのかを検討する。この実験は当初の予定通り、平成25年度に行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

残金532,785円のうち、430,148円は3月までに執行済・4月払いで、実際の残金は102,637円である。これは解析の遅れている抗体レパートリー(遺伝子)解析のための酵素類や機械使用料に使用する。これは当初の計画では初年度に終了している予定であったもので、早急に進めるとともに、これと並行して順次得られた遺伝子配列をもとに当初の計画である後期型の組換え抗体の作製を行う。以降は当初の計画通りに研究を進める予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Pulmonary Collectins Play Distinct Roles in Host Defense against Mycobacterium avium2011

    • Author(s)
      Ariki S.
    • Journal Title

      Journal of Immunology

      Volume: 187 Pages: 2586

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1100024

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] マンノース結合レクチンとIgMの相互作用の解析2011

    • Author(s)
      清水健之
    • Organizer
      第10回四国免疫フォーラム
    • Place of Presentation
      徳島大学(徳島県)
    • Year and Date
      2011年6月4日
  • [Presentation] マンノース結合レクチンとIgMの相互作用の多様性2011

    • Author(s)
      清水健之
    • Organizer
      第40回日本免疫学会学術集会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県)
    • Year and Date
      2011年11月28日
  • [Presentation] Bリンパ球に発現するBILL-cadherin/cadherin-17は抗体の親和性維持に寄与する2011

    • Author(s)
      傅舟一
    • Organizer
      第40回日本免疫学会学術集会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県)
    • Year and Date
      2011年11月28日
  • [Presentation] T細胞依存性免疫応答に関与するIgM+記憶B細胞の解析2011

    • Author(s)
      原泰史
    • Organizer
      第40回日本免疫学会学術集会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県)
    • Year and Date
      2011年11月28日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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