2013 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンホスファターゼによる新しい細胞死の制御機構
Project/Area Number |
23570173
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
有村 裕 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 准教授 (10281677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 淳二 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70182300)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / 免疫シグナル / 細胞死 |
Research Abstract |
これまで、本現象におけるPTP-PESTの責任部位を探るためにPTP-PESTの部分的欠失コンストラクトの影響を比較した際、全長のものが最も顕著な効果を示し、コンストラクトが短くなるに連れてその効果を失うという結果が得られていた。そこで今年度は、逆向きの方法としてPTP-PESTそのものではなく、PTP-PEST結合分子のうちのどれがPTP-PEST導入細胞の減少を阻止できるか、共発現によるレスキュー実験を行った。PTP-PESTのC末側領域にはいくつかの特徴的な配列P1~P4、NPLH、CTHが存在する。CTHに結合するPSTPIP1、P4に結合するCsk、NPLH配列に結合するp52Shc、p46Shc、主としてP3に結合するGrb2、さらにLckを導入した。しかしながら、予想に反して顕著なレスキュー効果を示すコンストラクトはなかった。発現させるタイミングをずらす必要があるかも知れないと考えている。その一方で、P1やP2に結合するCas、Paxillin、Pyk2のコンストラクトは用意できなかったので、今後作成したい。 ここまでの知見をまとめて論文を投稿したが2つの雑誌にリジェクトされた。さらに別の雑誌に投稿する予定である。研究計画にはあったが投稿中の論文に含まれていない研究項目でまだ試みていない実験を今後試みる。即ちPTP-PESTが、培養液に含まれるサイトカインや成長因子からのシグナルが発現ベクターのLTRプロモーターに至る経路を抑制することで、ベクターのマーカーの発現を抑制して見かけ上、細胞が減少したように見えているのではないかという可能性を検証する。 今年度は別の大学で新しい研究室を開くことになったので、研究環境の整備、基本的な実験器具や機材を揃えることに奔走した。また学部学生に対する講義を2科目の準備にも多くの時間を費やし研究を充分に行うことは難しかった。
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