2014 Fiscal Year Annual Research Report
高硫酸化コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸の生理的・病理学的機能の解明
Project/Area Number |
23570175
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
羽渕 脩躬 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, その他 (90024067)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 / GlaNAc4S-6ST / 肝繊維化 / デコリン / MMP |
Outline of Annual Research Achievements |
肝繊維化では、デコリン発現が著明に増加する。マウス肝臓デコリンに結合する高硫酸化コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸(CS/DS-E)が肝繊維化に及ぼす影響を知るため、CS/DS-Eを合成できないGalNAc4S-6ST KOマウスと野生マウスでCCl4による肝繊維化を比較した。 コラーゲン量およびCOL1a mRNA発現はCCl4注射により増加するが、Hypro量は注射後3週まではWTとKOで差が無く6週以降WTよりもKOの方が高かった。Sirius redでは注射後2日ではWTとKOで差が無く、注射後3週以降WTよりもKOの方が強く染色された。COL1a mRNAの発現はWTとKOに差は無かった。これらの結果から、WTとKOのコラーゲン量の差は、コラーゲン合成ではなくコラーゲン分解の差による可能性が大きい。 コラーゲンの分解に関与しうるMMP mRNAの発現はCCl4注射により増加し注射停止後減少したが、MMP-13とMMP-2の発現はWTよりもKOの方が高く、MMP-9の発現はWTよりもKOの方が低かった。TIMP1とTIPM2の発現はWTとKOに差はなかった。MMP類はコラーゲンの分解だけでなく、MMPの活性化、細胞表面受容体の活性化など種々の機能を持つが、コラーゲン分解に直接関係するMMPの発現は上述の結果からWTよりもKOで低くなることが予想される。この予想と一致したのは調べた限りMMP-9だけであった。Zymography により調べると、proMMP-9に対応するバンドの濃さはWTよりもKOの方が低かった。この結果はMMP-9が活性タンパク質として線維化組織で働いており、その発現がCD/DS-Eにより影響を受ける可能性を示している。 共同研究により、GalNAc4S-6ST KOマウスでは骨芽細胞の分化異常により骨密度が低下することが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)