2011 Fiscal Year Research-status Report
DNA複製フォークでの分子集合と複製ヘリカーゼの役割の解明
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23570204
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
石見 幸男 茨城大学, 理学部, 教授 (80159772)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | MCMタンパク質 / DNA複製フォーク / DNAヘリカーゼ |
Research Abstract |
(1)フォークでの分子集合 MCM2-7の活性化:昆虫細胞内強制発現系と引き続く免疫沈降実験から、CDC45はMCM2-7のすべてのサブユニットと、さらにGINSサブユニットのSLD5とPSF3との結合性を有することが分かった。一方でGINS複合体タンパクビーズによるプルダウン実験より、GINSはMCM2とMCM3と特に結合し、さらにCDC45とも結合することが分かった。 DNA合成酵素との結合:チェックポイント因子のClaspinが、DNA合成酵素aのp180サブユニットと、さらにDNA合成酵素eのp59サブユニットとの結合性を有することが、昆虫細胞内強制発現系と引き続く免疫沈降実験から明らかになった。RPAとの結合:タグ付きRPA2を恒常的に発現するHeLa細胞株を樹立した。それは、内在性のRPA2量とほぼ同程度の発現量を示した。この外来性RPA2は、内在するRPA1と複合体を形成することが免疫沈降実験から示された。(2)MCM複合体形成とDNA構造の不安定化機構 変異MCM4のクロマチン結合能を調べる実験は、技術的に難しいことが判明した。一方で、昆虫細胞内強制発現系と引き続く免疫沈降実験から、変異MCM4はMCM6との結合が野性型MCM4の約3割程度に低下すること、しかし他のMCMサブユニットとの結合能は低下しないことが示された。(3)複製DNAヘリカーゼの特徴の比較 ヒトヘリカーゼBの強制発現昆虫細胞よりの精製法を確立した。加えて、これまで困難であったMCM2-7複合体の精製法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)フォークでの分子集合 MCM2-7の活性化: CDC45, GINS複合体およびClaspinのMCM2-7に対する結合性が分かったが、さらにその他のMCM結合因子のMCM2-7結合性を調べる必要がある。DNA合成酵素との結合: ClaspinとDNA合成酵素aおよびDNA合成酵素eとの結合性が明らかになった。さらに、MCM10などの関係する因子とDNA合成酵素との結合性を明らかにする必要がある。RPAとの結合:タグ付きRPA2を恒常的に発現するHeLa細胞株を樹立できたので、今後の免疫沈降実験で有用な道具になると考えられる。(2)MCM複合体形成とDNA構造の不安定化機構変異MCM4はMCM6との結合のみに不都合が生じることが分かり、MCM複合体形成がDNAへのMCM結合に重要な意味をもつことが分かった。(3)複製DNAヘリカーゼの特徴の比較ヒトヘリカーゼBに加えMCM2-7複合体の精製法が確立されたことは、DNA複製に機能するヘリカーゼの働きの違いを検討する上で意味が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に申請時の計画に沿って研究を進める。ただし、(2)MCM複合体形成とDNA構造の不安定化機構については、以下のように考える。まず、私のグループが、変異MCM4のMCM複合体形成の不調が核移行の不調に繋がるという新たな発見をした。一方で、当初の計画に示されたような変異MCM4のクロマチン結合性の低下は、最近、別のグループにより、それを示唆する結果が報告された。そこで、この計画については見直し、その分の力を、各種のMCM結合タンパク質のMCM結合領域を同定するという、新たな実験に注ぐつもりである。 MCM2-7複合体は、CDC45およびGINS複合体と結合して、CMG複合体としてDNA複製フォークを牽引するヘリカーゼとして働いている可能性が提示されている。そこで、このCMG複合体を精製して、MCM2-7やMCM4/6/7複合体と比較して、DNAヘリカーゼ活性などが昂進しているか、などを検討することを計画している。それに向け、まずCMG複合体の精製を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度同様に、生化学的研究試薬、分子生物学的研究試薬および細胞培養に用いる試薬と培養皿などの消耗品に研究費の大部分を使用する予定である。加えて、備えている機器類に修理の必要が生じた場合には、それにも充当したいと考えている。
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Research Products
(3 results)