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2011 Fiscal Year Research-status Report

tRNAスプライシング機構の特徴点抽出

Research Project

Project/Area Number 23570208
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

横川 隆志  岐阜大学, 工学部, 准教授 (90242304)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordstRNA / スプライシング / BHBモチーフ / tRNAリガーゼ / RtcB / 古細菌
Research Abstract

真核生物や古細菌の tRNA 遺伝子の中には、イントロンを含むものが存在する。まず tRNA 転写物のイントロン部分が、スプライシングエンドヌクレアーゼ(SEN)によって切り出される。この過程については SEN の結晶化も行われ、詳細な解析がなされている。一方、エキソン部分の連結については、酵母以外の生物では長らく謎とされていた。提案者は、メタン生成古細菌 Methanosarcina acetivorans の細胞抽出液中に、tRNA のエキソンを連結する活性(tRNA リガーゼ活性)を見いだしたので、この活性を濃縮することを試みたが、いずれのカラムクロマトグラフィーを用いても、活性が広範囲に分散して、tRNA リガーゼ活性を濃縮することができなかった。そこで、界面活性剤等の添加をはじめとして、多くの条件検討を行って見たものの、活性を効果的に濃縮する術を見いだすことはできなかった。一方、ヒトや古細菌で tRNA リガーゼと思われる遺伝子を同定した、という報告が 2011 になって相次いで報告された。意外なことに報告された遺伝子は、tRNA 遺伝子にイントロンを持たないバクテリアにも普遍的に見いだされる rtcB という遺伝子であった。そこで、大腸菌の RtcB と M. acetivorans の RtcB を大腸菌で過剰発現させようと試みたが、大腸菌の RtcB は発現せず、M. acetivorans の RtcB は不溶化してしまうなど、recombinant RtcB を得ることができなかった。現在、発現ベクターや発現条件の検討を行っているところである。一方、M. acetivorans の native tRNA リガーゼの濃縮も伸展していないが、さらにカラムクロマトグラフィー条件を検討して、精製された tRNA リガーゼを得る努力を続ける。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究実績の概要でも触れたように、現在のところ、recombinant RtcB を得ることも、M. acetivorans の細胞抽出液中から native tRNA リガーゼを濃縮することも、達成できていない。これらを得ることができないと、試験管内で tRNA スプライシング反応を構築することができないので、テーマに挙げた古細菌とヒトの tRNA スプライシング反応の共通点や、相違点を見いだすことが難しい。したがって、recombinant にせよ、native にせよ活性の高い tRNA リガーゼを調製することが急務である。現状は、RtcB の発現条件やカラムクロマトグラフィー条件の検討に明け暮れる毎日であるが、アフィニティークロマトグラフィーの採用など、戦略を変更することも考慮する必要があるだろう。

Strategy for Future Research Activity

現状の条件検討は引き続き行うが、もう少し柔軟に対応したい。具体的な戦略を以下に示す。Recombinant RtcB の調製に関しては、先行研究で、好熱性古細菌の recombinant RtcB は得られているので、種を変えて recombinant RtcB を得ることも試みたい。一方、native の tRNA リガーゼを調製するために、アフィニティーカラムクロマトグラフィーを行う。tRNA のスプライシング部分に見られるバルジ-ヘリックス-バルジ(BHB)モチーフに結合するタンパク質を一括して調製することを試みる。ヒトでは、スプライシングエンドヌクレアーゼ(SEN)と RtcB が複合体を形成していることが報告されていることから、おそらく tRNA スプライシングは、切断と連結が同時に起こると予想される。したがって、BHB に結合するタンパク質群を調製すれば、高活性な tRNA リガーゼを得られる可能性がある。ただし、通常の RNA で BHB モチーフを作製すると SEN により切断を受け、結果として BHB モチーフ結合タンパク質が得られないので、切断部位のみ DNA に置き換えた、DNA-RNA ハイブリッドを化学合成し、それに結合するタンパク質を得る。得られたタンパク質の tRNA リガーゼ活性を評価するとともに、BHB 結合タンパク質群を網羅的に質量分析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費については、高額な物品を購入する予定はなく、蛍光標識用試薬や、カラムクロマトグラフィーの条件検討のために器具や樹脂を購入する。また、アフィニティークロマトグラフィー用樹脂の作製のために、一部が DNA になった RNA の化学合成を依頼する。その他、研究打ち合わせ等の旅費、研究サポートのためのアルバイト代、共通施設、共通機器の使用料などを、それぞれ 10 万円程度見込んでいる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Methanosarcina acetivoransのイントロン含有tRNA前駆体と結合するタンパク質群の解析2011

    • Author(s)
      横川隆志
    • Organizer
      24回Archaea研究会
    • Place of Presentation
      鶴岡
    • Year and Date
      2011年9月3日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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