2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞に特有の液胞の形成・拡大とそれらに伴うオートファジーの解析
Project/Area Number |
23570222
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
森安 裕二 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20200454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 康子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30194921)
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Keywords | オートファジー / 液胞形成 / リソソーム / 細胞成長 |
Research Abstract |
液胞は新奇のオートファジーに伴ってできることを証明するという研究目的を達成した。 タバコBY-2細胞より調製したミニプロトプラスト(液胞を脱落させたプロトプラスト)を培養すると液胞が再形成される。電子顕微鏡で観察すると、形成された液胞内には細胞質の未分解物と考えられる構造が見られた。膜透過性システインプロテアーゼ阻害剤E-64dで処理して液胞内でのタンパク質分解を阻害すると、液胞膜で囲まれた液胞の形成それ自体は阻害されなかったが形成される液胞内には細胞質の未分解物の蓄積がさらに増加した。さらに、液胞型H+-ATPaseを阻害することにより形成される液胞の酸性化を阻害し結果として液胞内の加水分解酵素の活性を低下させるconcanamycinで処理すると、形成される液胞内には、細胞質ゾルと同様な構造が満たされていた。このようなE-64dやコンカナマイシンの効果に対してconventionalなオートファジーの阻害剤3-methyladenineは影響を与えなかった。オートファゴソームのマーカータンパク質であるGFP-Atg8融合タンパク質を恒常的に発現するBY-2細胞より調製したミニプロトプラストでも液胞形成は同様に起こった。この過程では、GFP-Atg8タンパク質が局在するオートファゴソームが観察され、栄養飢餓状態に置くとその数は増加した。 ミニプロトプラスト内で起こるオートファゴソームの形成は3-methyladenineによってほぼ完全に阻害された。以上の結果は、ミニプロトプラスト内においては、液胞は従来のオートファジーとは異なるオートファジーによって形成されることを示している。
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Research Products
(6 results)