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2012 Fiscal Year Research-status Report

分裂酵母の減数分裂の開始と進行を制御するRNA結合タンパク質Mei2の機能解析

Research Project

Project/Area Number 23570223
Research InstitutionKazusa DNA Research Institute

Principal Investigator

山下 朗  公益財団法人かずさDNA研究所, ヒトゲノム研究部, 室長 (30312276)

Keywords減数分裂 / 分裂酵母 / RNA結合タンパク質 / non-coding RNA
Research Abstract

本研究では、減数分裂を制御する分子機構を明らかにすることを目標として、分裂酵母において減数分裂の開始と進行の鍵を握るRNA結合タンパク質Mei2の機能解析を進めている。これまでの研究よりMei2が細胞周期を体細胞分裂型から減数分裂型へ切り換える活性を発揮した後、non-coding RNAであるmeiRNAと協調して、減数分裂阻害因子であるMmi1を抑制することで減数分裂を進行させていることを示してきた。
Mei2は体細胞分裂期にはPat1キナーゼによってリン酸化されることで機能抑制されていることが示されていた。この制御に加えてMei2が、真核生物全般で保存されたキナーゼであるTor2キナーゼによってリン酸化されていることを明らかにした。さらに、Tor2によるリン酸化を受けたMei2が、ポリユビキチン化され、プロテオソーム依存的に分解されることを示した。
Mei2が減数分裂を誘導する機構を明らかにするため、活性化型Mei2を人為的に発現して異所的に減数分裂を誘導できる株を作製し、その株の抑圧変異体を複数取得していた。抑圧変異体のスクリーニングが飽和しておらず、さらなる抑圧変異体の単離が期待されたので、条件をより詳細に検討し、スクリーニングを行った。得られた抑圧変異体について、解析を進めている。
Mei2と結合して減数分裂の進行に必須の役割を果たすmeiRNAは、転写後自分自身をコードする遺伝子座に留まり、Mei2と共に核内ドット構造を形成する。meiRNAが自身の遺伝子座に留まってドット構造を形成するのに必要な領域を特定した。さらに、その領域に結合して、meiRNAを遺伝子座に繋留するのに必要な因子の候補を同定した。また、Mei2とmeiRNAが協調的に働き、減数分裂阻害因子Mmi1を抑制することを示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

年度の初めに研究室の移動があったが、予定していた活性化型Mei2を用いたMei2の機能に迫るスクリーニングと、Mei2のパートナーnon-coding RNAであるmeiRNAの局在制御機構の解析を進めることに加えて、Mei2のリン酸化による安定性制御という新たな知見を得ることができた。meiRNAの局在制御に関しては、局在化の鍵を握ることが期待される因子を特定することができたので、今後詳細に検討していきたい。前年度までに進めていたマイクロアレイを利用したMei2が活性化することで発現が変動する遺伝子の探索に関しては、当初予想していたより多くの遺伝子の発現に変化が認められ、さらなる条件検討が必要であることが明らかとなった。そこで本年度は、他の計画を優先して進めた。

Strategy for Future Research Activity

活性化型Mei2変異の抑圧変異の解析を進める。変異の原因遺伝子を破壊した株や、過剰発現する株を作製して表現型の観察を行い、Mei2との関連を明らかにする。また、Mei2と結合する因子を特定するための系の構築を行う。Mei2を分裂酵母より効率的に精製し、同時に精製されるタンパク質を同定することに加えて、Mei2に結合する新規RNAをマイクロアレイや次世代シーケンスを利用して網羅的に探索し、それらの機能を明らかにする。
meiRNAが自身の遺伝子座に留まるのに必要な因子の候補を得たので、それらが実際にmeiRNAの局在制御に関わる機能を果たしているのか検討する。それらの因子の必要性が確認されたら、それらの変異株を作製し、meiRNAの局在観察などを行い、それらが実際のどのように機能しているのか明らかにしていく。また、候補因子と関連することが示されている因子についても、meiRNAの局在制御に関与していないか検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究推進のための消耗品での使用と、学会での成果発表と論文投稿にかかる費用としての使用を予定しいてる。物品の購入は計画していない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Psk1, an AGC kinase family member in fission yeast, is directly phosphorylated and controlled by TORC1 as S6 kinase2012

    • Author(s)
      Nakashima, A., Otsubo, Y., Yamashita, A., Sato, T., Yamamoto, M., and Tamanoi, F.
    • Journal Title

      Journal of Cell Science

      Volume: 2 Pages: 5840-5849

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Meiotic pairing by non-coding RNA?2012

    • Author(s)
      Yamashita, A., Kariyazono, R. and Watanabe, Y.
    • Journal Title

      EMBO reports

      Volume: 13 Pages: 766

    • DOI

      10.1038/embor.2012.124

  • [Presentation] 減数分裂特異的転写産物の選択的除去機構2012

    • Author(s)
      山下朗、高山知美、七野悠一、岩田遼、山本正幸
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
    • Year and Date
      20121211-20121214
  • [Presentation] 減数分裂特異的転写産物の選択的除去機構2012

    • Author(s)
      山下朗、高山知美、七野悠一、岩田遼、山本正幸
    • Organizer
      第14回日本RNA学会年会
    • Place of Presentation
      東北大学
    • Year and Date
      20120718-20120720

URL: 

Published: 2014-07-24  

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