2011 Fiscal Year Research-status Report
上皮細胞のトリセルラージャンクションによる細胞・組織形態維持機構の解析
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23570229
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小田 裕香子 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70452498)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 上皮細胞 / トリセルラージャンクション / 細胞骨格 / 細胞形態形成 |
Research Abstract |
本研究は、上皮細胞が敷石状形態を維持するための、"頂点 (=tricellular junction; TCJ)"の機能と分子機構を明らかにするとともに、組織構築における上皮細胞の"TCJ"が果たす役割の生体レベルでの解明を目的として行われた。 申請者はトリセルリンが上皮細胞の細胞形態形成に関わることを示す基礎的なデータをすでに得ていた。本年度、TCJ構成タンパク質トリセルリンの下流でアクチン制御に関わる因子を探索し、敷石状形態形成におけるそれらの因子の機能解析を行った。具体的には、アクチン制御に関わるトリセルリンの細胞質ドメインを見出し、そのドメインに結合しアクチンを制御する候補因子(低分子量GTPase活性化因子)を同定していたところ、本年度の成果として、その候補因子が、細胞内でトリセルリンに結合することを免疫沈降にて検出した。また、細胞接着形成時における両者とアクチン細胞骨格の挙動を、経時的な免疫染色及び観察により解析した。これらの結果をもとに、次年度以降引き続き継続・発展させていく。 本研究により、上皮細胞研究においてこれまでほとんど明らかにされてこなかった「多角形の細胞の頂点」の役割と機能が明らかになり、今後の細胞生物学研究に新しい視点をもたらすのみならず、免疫系やがん、発生など上皮細胞のダイナミクスが密接に関与する様々な生命現象とその破綻機構を分子レベルで理解につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画として、トリセルリンとアクチン制御因子との結合解析、細胞接着形成時における両者の局在とアクチン細胞骨格の配向の時空間的解析を挙げており、これらはおおむね達成できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、TCJにおけるアクチン細胞骨格編成のシグナル経路の全容解明を目指す。前年度までに作製したTCJにおけるアクチン骨格制御に関わる因子群の過剰発現細胞株、ノックダウン細胞株を組み合わせて用い、それぞれの分子の細胞内局在および発現を調べる。さらに、トリセルリンのアクチン制御に関わる低分子量Gタンパク質の活性化に及ぼす影響を、分子生物学的手法ならびに細胞生物学的手法を用いて明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降も引き続き、培養上皮細胞や実験動物を用いた実験系を計画している。目標達成には、血清や細胞培地、試薬、プラスチック器具、様々な消耗品とともに、実験動物が不可欠となる。また、得られたデータの解析を行うためのパソコン、研究成果を発表するための国内外への学会旅費、セミナー等への参加費用や論文別刷り費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)