2013 Fiscal Year Annual Research Report
エーテルリン脂質プラスマローゲンのアシル基の多様性形成と生合成調節機構の解明
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23570236
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本庄 雅則 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (90372747)
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Keywords | プラスマローゲン / リン脂質 / 生体膜 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
1. Zellweger症候群患者由来線維芽細胞においてエアタノールアミンプラスマローゲンやドコサヘキサエン酸含有リン脂質が著しく減少することを見いだすとともに、高度不飽和極長鎖脂肪酸を有するホスファチジルコリンが蓄積することを見いだした(Abe et al., Biochim. Biophys. Acta-Mol. Cell Biol. Lipids. 1841: 610-619 2014)。 2. プラスマローゲンの生合成律速酵素であるFatty acyl-CoA reductase 1 (Far1)がPex19p依存的にペルオキシソームに輸送され、機能ドメインを細胞質側に配向したC末アンカータンパク質としてペルオキシソームに局在することを示した。また、Far1のアイソフォームであるFar2がヒト乳腺癌由来培養細胞MCF-7に発現していることを見いだした。ついでMCF-7細胞はプラスマローゲン合成不全であることも見いだし、この特徴を活用し細胞内プラスマローゲン量依存的にFar1のみが分解されることも示した(Honsho et al., J. Biol. Chem. 288: 34588-34598 2013)。これらの成果は、プラスマローゲンのホメオスタシス解明に貢献するものである。 3. プラスマローゲンの脂肪酸多様性形成には一般的なグリセロリン脂質の場合と同様に脂肪酸のリモデリングすなわちランズ回路 (Lands cycle)で達成されると推察される結果を得るとともに、少なくとも2種の酵素がプラスマローゲンのアシル基の多様性形成に関与することを見いだした。
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