2011 Fiscal Year Research-status Report
オートファジー誘導系を用いたオートファジー分子メカニズムの解析
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23570241
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鎌田 芳彰 基礎生物学研究所, 多様性生物学研究室, 助教 (20291891)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | TOR |
Research Abstract |
酵母細胞を様々な栄養環境下で培養し、そのAtg13リン酸化状態をウエスタンブロットで検出し、細胞内のTor活性状態を評価した。さらにTorがどのような生体内分子を栄養環境情報として認識しているか、出芽酵母の変異体のスクリーニングを行った。その結果、Tor活性は、培地中の窒素源、炭素源、あるいは硫黄源環境の変動(枯渇)により大きな影響を受ける一方、リン酸や塩基(Adenine Uracil)欠乏には反応しないことが解った。さらに、アミノ酸欠乏においても、Leucine, Tryptophanなどには敏感な応答を見せるのに対し、Cysteine, Methionine, Lysineなどの欠乏はTor活性に大きな変動は見られなかった。これらの結果は、いくつかの選択されたアミノ酸が栄養環境の指標としてTorによってセンスされている可能性を示唆している。また、変異体スクリーニングの結果、アミノアシル-tRNA合成酵素遺伝子群がTor活性に重要な役割を果たしていることが解った。この結果はTorがアミノアシル-tRNAを窒素源環境として認識していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TORシグナル伝達経路によるオートファジー制御に関して、当初の予想に反して、TOR上流のシグナル因子の候補が見つかった。しかしながら、これは本研究において決して障害となるものではなく、むしろ栄養環境応答の包括的な理解に繋がると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成23年度に得られた知見をさらに推し進め、TORが栄養環境をどのようにして感知しているのか、明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究計画を遂行するために平成23年度に引き続き、次年度の研究費を必要とする。
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