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2012 Fiscal Year Research-status Report

ホスホリパーゼDの細胞膜上における動態解析と細胞運動における極性維持機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23570244
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

長崎 晃  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (30392640)

Keywords細胞運動 / PLD / 全反射顕微鏡観察
Research Abstract

細胞運動は、器官形成や損傷治癒などの生物学的現象において重要な役割を果たしているが、その制御機構は複雑であるため未だ全貌は明らかになっていない。我々はこれまでに細胞性粘菌をモデル型として細胞運動に関与する遺伝子の探索を行い、ホスホリパーゼD(PLD)を同定し、動物細胞においてもPLDが細胞運動に必須であることを明らかにした。そこで、細胞内のPLDの活性化状態を可視化するために、PLDの産生物であるホスファチジン酸(PA)を検出するプローブの作成を試みてきた。前年度までに作成したPA検出プローブ(10種)を細胞内に導入し、全反射顕微鏡による観察を行ったが、細胞膜全体が均一に染まり特異的なPA検出はできなかった。そこで新たにsosタンパク質のPA結合領域を用いたプローブの作成した。
また、前年度までにやり残したsmall Gタンパク質、PLDの活性化因子であるPIP2を産生するPIP5Kのクローニングを行った。さらに、セルチップを用いて同定した細胞運動関連キナー ゼ遺伝子群(30遺伝子)のクローニングがすべて完了し、GFPタグによる細胞内局在を決定した。
セルチップにより同定した30遺伝子については、シグナル伝達系におけるPLDとの関連を明らかにするために、細胞内局在および既知データに基づいたネットワーク解析に着手した。
一方で、PLD2の1分子計測については高速高感度CMOSカメラの導入により、細胞膜上におけるPLD2の正確な挙動を検出することが可能となった。また、488nm、594nmレーザに加え、新たに542nmレーザを導入したことで、PLD、PAに加え骨格系タンパク質等の3種のタンパク質を同時に1分子で計測することが可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度にやり残した遺伝子(small Gタンパク質、PIP5K、セルチップにより同定したキナーゼ群等)のクローニングについてはすべて終了し、本申請研究で使用する予定であった遺伝子をすべて得ることができた。また、新たにレーザを追加することでPLD、PA に加え第三のタンパク質を同時に1分子計測を行うことが可能となり、当初の計画より多い3種の分子を同時に計測することが可能となった。さらに想定以上の速さで細胞膜上を移動するPLD2の動態観察についても、高速・高感度CMOSカメラの導入により解決した。
また、セルチップを用いて探索していた細胞運動関連キナーゼはセカンドスクリーニングを再度行い、候補遺伝子(30種)が確定した。そこで、PLD1およびPLD2と細胞運動関連キナーゼ群の関連を明らかにするためにパスウェイ解析に着手した。

Strategy for Future Research Activity

488、594nmレーザに加え、新たに543nm レーザを追加したことにより、蛍光タンパク質の組合せを再考する必要ある。これまでの蛍光タンパク質の組合せはEGFPとmCherryであったが、さらに543nmレーザで励起できるオレンジ色の蛍光タンパク質を導入する。上記3種のレーザを励起光として用いることから、非常に狭い範囲(500nm~650nm)における三色蛍光観察となり、隣り合う蛍光成分の漏れを防ぐために各蛍光スペクトル間の重なりをできる限り小さくする必要が生じる。従って、EGFPよりやや短波長側にシフトしたAcGFPとmCherryより長波長側にシフトしたmKate2の組合せに変更し、この2種の蛍光タンパク質の間にオレンジ色蛍光タンパク質であるmKO1を導入する。AcGFP、mKO1、mKate2の組合せと蛍光フィルター・ダイクロイックミラーの最適化により、蛍光漏れが極力抑えられると考えられる。そこで、3蛍光同時観測を目指すために、これまでにクローニングした遺伝子の蛍光タグの置換を進める。
また、セルチップにより探索していた細胞運動関連キナーゼの候補遺伝子が確定したため、これらキナーゼ群とPLD1およびPLD2のパスウェイ解析を進めるとともに、運動中におけるキナーゼ群とPLDの細胞内局在について検討を進める予定である。
さらに、PLD2の動態解析については、新たにCMOSカメラを導入したことから細胞膜上における正確な動態データを得ることが可能となったため、再度データを取り直し解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

PLDの生化学的実験を行うために必要な抗体の購入(作成)や、発現ベクターのタグ交換のための遺伝子組換え実験の消耗品購入のために使用する。また、多波長同時観察のための光学フィルター等の光学部品、顕微鏡観察と細胞培養のための消耗品費として使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 高浸潤性NBT-II細胞を用いた細胞運動調整遺伝子のキノーム解析

    • Author(s)
      長崎 玲子、長崎 晃、上田太郎、三宅 正人、藤田 聡史
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場

URL: 

Published: 2014-07-24  

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