2012 Fiscal Year Research-status Report
大脳新皮質ニューロン移動におけるPDK1ーAkt経路の機能解析
Project/Area Number |
23570249
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 靖浩 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (50508108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 由季子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70252525)
|
Keywords | ニューロン移動 / Akt |
Research Abstract |
大脳新皮質はニューロンが適切に配置された6 層構造からなり、その形成にはニューロンの移動が必須の役割を果たす。ニューロンは核と中心体が交互に動く核-中心体カップリングというニューロン特異的な現象によって移動することが知られているが、その制御メカニズムには不明な点が多く残されている。申請者のこれまでの解析から、セリン/スレオニンキナーゼAkt が大脳新皮質ニューロンの移動と層形成に重要な役割を果たすことが明らかになっている。しかしながら、Akt がどのようにしてニューロン移動を制御するかについては不明なままである。 前年度本研究において、Aktが直接リンさん化する基質を探索する目的で、脳抽出液中に含まれるリン酸化ペプチドの網羅的検出を行なった。Akt活性化に必要な上流分子PDK1のノックアウトマウス脳とコントロール脳から検出されたリン酸化ペプチドを比較したところ、コントロール脳に比べてPDK1ノックアウト脳において微小管結合タンパク質のリン酸化が大きく変化していた。この結果は、PDK1ノックアウトにより微小管安定性が変化していることを示唆している。当該年度において、Aktの直接のリン酸化ターゲットの絞り込みを行ない、現在も継続的にAktのリン酸化基質の同定に取り組んでいる。 また、移動中のニューロンにおいてAktの活性が時間的・空間的にどのように変化しているかを調べるため、子宮内エレクトロポレーションによってAktのFRETプローブを遺伝子導入後に脳スライスを作製・観察する実験に現在取り組んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画どおりに実験が行なわれ、また興味深い知見も得られており、研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでおり、当初の計画通りに実験を行なっていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は当初の予定より消耗品得を安価で手に入れることができ、また、平成23年度に購入した試薬を用いて実験を行なうことが出来たため、次年度に研究費を一部繰り越した。今後研究が順調に進むことによりリン酸化ペプチド抗体の作製などが必要になってくるので、それらの消耗品費として使用する予定である。また、学会発表、論文投稿を行なう予定であり、それらに研究費を使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)