2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23570254
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉岡 秀文 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40191548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 恵 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20243347)
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Keywords | ニワトリ胚 / 性分化 / 生殖腺 / HINTZ / DMRT1 / HINTW / 性決定遺伝子 |
Research Abstract |
HINTZ(histidine nucleotide binding protein Z-linked)を2日胚雌の生殖腺予定領域に強制発現させた後8日胚の生殖腺を固定し、各種遺伝子マーカーの発現を解析した。HINTZ発現細胞と重なった細胞で 雄特異的に発現するWNT5a遺伝子の発現が誘導され、同時にHINTZ発現細胞と重ならない細胞で雄の性決定遺伝子として報告されているDMRT1遺伝子発現が誘導された。また逆にHINTZsiRNAを日胚雄の生殖腺予定領域に発現させノックダウン実験をすると8日胚の生殖腺において、WNT5a、DMRT1の遺伝子は発現が抑制された。このことはDMRT1遺伝子の上流にHINTZ遺伝子が存在し、細胞増殖因子であるWnt5aを介してDMRT1遺伝子が誘導されると解釈できる。 次に、HINTW(histidine nucleotide binding protein W-linked)を2日胚雄の生殖腺予定領域に強制発現させた後8日胚の生殖腺を固定し、各種遺伝子マーカーの発現を解析した。HINTW発現細胞と重なった細胞で 雌特異的に発現するFGF16遺伝子の発現が誘導され、同時にHINTW発現細胞と重ならない細胞で雌のマーカー遺伝子であるAromatase遺伝子発現が誘導された。また逆にHINTWsiRNAを日胚雌の生殖腺予定領域に発現させノックダウン実験をすると8日胚の生殖腺において、FGF16, Aromatase遺伝子の発現が抑制された。このことはHINTW遺伝子の下流にFGF16, Aromatase遺伝子が存在していると解釈できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子の強制発現をした胚の死亡率が高いため、有効な胚の個数を確保するのに時間と労力がかかる。
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Strategy for Future Research Activity |
HINTZ,HINTWの生物学的機能にはまだ不明な点が多いので、細胞内局在性を免疫組織化学染色法により詳細に調べたい。もし核タンパク質であれば クロマチン免疫沈降法によりHINTZ, HINTWが制御している遺伝子を調べたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験結果の解釈が難しく、作業仮説を建てて次の実験を計画するのに、熟考したので時間がかかり、研究代表者である私が 多忙で実験に従事する時間がなかなか充分に確保できなかったため、実験が予定どおりにすすまなかった。 ニワトリ生殖腺の性決定候補遺伝子の一つであるHINTW/HINTZ について、ノックダウンしたり、過剰発現させた胚はすでに調製しているので、それをsection ISH法と特異的な抗体による免疫化学組織染色法で雌雄に特異的に発現するマーカー遺伝子の発現を詳細に解析する、
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