2011 Fiscal Year Research-status Report
Wntシグナルによるユビキチンシステムを介した細胞運動制御
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23570262
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
木下 典行 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 准教授 (30300940)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アフリカツメガエル / 細胞接着 / ユビキチン |
Research Abstract |
動物の体の形作りにおいて原腸形成は発生初期に起きる重要な形態形成運動である。アフリカツメガエル胚の原腸形成は細胞の収斂伸長運動によりおこる。この運動は胚全体の組織が動くための原動力となる。そして三胚葉がその後の形態形成のために正しく配置し、頭尾軸に沿って伸長した形態へと胚が変化するために必須である。近年この運動がWnt/PCPシグナル経路の働きが必須であることがわかっているが、その分子レベルでの制御メカニズムは明らかになっていない。私は、Wnt/PCPシグナルが細胞接着分子の局在や安定性を制御しているのではないかと考えて、今年度の研究を行った。今年度の成果は以下の点である。(1)Wnt/PCPシグナルの細胞内シグナル伝達分子Prickle(Pk)にユビキチンE3リガーゼが結合することを明らかにした。(2)このE3リガーゼが原腸形成運動を行なう細胞の細胞間接着の制御に重要である。(3)この細胞間接着を担うカドヘリンファミリー分子を同定した。(4)この細胞接着分子がPk結合E3リガーゼによりユビキチン化される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、Pk結合リガーゼの基質の同定を行ない、細胞接着分子との直接の関係を示すことであった。仮説通りの結果を得られたので、「順調に進展している」と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果に基づき、同定された細胞接着分子の生化学および細胞生物学的な解析を行う。生化学的には、免疫沈降法による結合様式、結合ドメインを解明する。また、ユビキチン化アッセイによるユビキチン化部位の同定を行う。また脊索形成を行う細胞内での局在を明らかにし、局在制御におけるPCPシグナルやユビキチン化の役割を明らかにする。さらにカエル胚においてWnt/PCPシグナルがユビキチンシステムを介して細胞接着を制御していることを明らかにする。このシステムが制御する細胞接着が、収斂伸長運動の制御においてどのような役割を果たしているかを解析する。カドヘリンをはじめ、このユビキチンシステムに結合する多くのタンパク質について、この細胞運動との関連を検証する。得られた結果をとりまとめ、発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、核酸、タンパク質の解析の試薬類、顕微鏡観察のための試薬などほとんどを消耗品に使う予定である。
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Research Products
(1 results)