2013 Fiscal Year Annual Research Report
D-アスパラギン酸含有蛋白質に特異的な分解酵素とその基質の起源、機能進化の解明
Project/Area Number |
23570272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木野内 忠稔 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90301457)
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Keywords | D-アミノ酸 / D-アスパラギン酸 / プロテアーゼ / アフリカツメガエル / ウニ / ハツカダイコン / マイクロトム |
Research Abstract |
研究代表者は、ラセミ化したアスパラギン酸残基を含むタンパク質に対する特異的な分解酵素を哺乳類から発見し、これをD-Aspartyl Endopeptidase: DAEPと名付け、その進化的な原型を求めて様々な生物種におけるDAEPホモログのスクリーニングを行った。その結果、哺乳類以外では、アフリカツメガエル(両生類)、バフンウニ・ムラサキウニ(棘皮動物)などの水生生物でその活性が認められた。阻害剤に対する感受性や基質特異性が哺乳類DAEPに非常に良く似ていることから、そのホモログと考えられたが、植物におけるDAEPの分布は不明であった。そこで、ハツカダイコン、マイクロトム(矮性トマト)を水耕栽培し、各組織におけるDAEP活性を測定した。その結果、ハツカダイコン根とマイクロトム果実においてDAEP活性が検出された。これらのDAEP比活性は、アフリカツメガエルやバフンウニのそれと比べると1/10程度であったが、活性の分布として果実という点が非常に興味深い。水生生物DAEPの分布が生殖巣や成熟未受精卵において顕著であり、DAEPの原初的な生理的機能は初期発生にあったのではないかと考えられることから、今後は生殖器官としての花卉におけるDAEP活性を調査し、植物の初期発生におけるDAEPの関与について考察したい。
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Research Products
(3 results)