2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAと転写因子による協調的制御の分子進化
Project/Area Number |
23570273
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岩間 久和 香川大学, 総合生命科学研究センター, 准教授 (20398035)
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Keywords | マイクロRNA / 転写因子 / 協調的制御 / ターゲット遺伝子 / 遺伝子制御網 / 行列 |
Research Abstract |
マイクロRNAと転写因子との協調的な制御の進化を明らかにするために、昨年度推定したマイクロRNA遺伝子の生起時期に基づき、マイクロRNAのターゲット特性を調べた。ターゲット特性として具体的に次の2点に着目した。(1)どの時期に生起したマイクロRNAがどれほどの数の遺伝子をターゲットとして制御し得るか、(2)どの時期に生起したマイクロRNAがどのような機能の遺伝子をターゲットとするか、である。今年度の研究では、ヒトにおいて複数のRNA-seq実験で発現が確認できる約850のマイクロRNAに対象を絞った。これらのマイクロRNAが約16,000のヒトのタンパクコード遺伝子に持つターゲット配列を約30万箇所予測し、ターゲットとなる遺伝子の機能を約13,000のGene Ontology の機能属性に対応させた。全対応関係は約300万となった。つまり、転写因子とそれ以外等という事前の仮説を置かず、マイクロRNAのターゲット遺伝子の機能を網羅的にunbiasedに調べた。 その結果、全ての多重検定を考慮に入れても有意に偏ったターゲット遺伝子の機能属性が明らかになった。その中に転写因子機能が含まれていた。さらに、注目すべき機能属性が有意な偏りをもち、マイクロRNA生起時期により有意に変化していることが明らかになった。この解析を行うために、「生起時期→マイクロRNA遺伝子→成熟マイクロRNA→ターゲット遺伝子→機能属性」という多対多の多段階の関連付けを要する。この過程を行列で表し計算する手法を導入した。これにより形式的に明確な表現が可能となった。マイクロRNAの生起時期とターゲット遺伝子の数の関連については、学会発表をおこなった。機能属性の偏りについては、原著論文投稿準備中である。マイクロRNAの生起時期推定と遺伝子制御網への関わりについて和文総説として発表した。
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Research Products
(3 results)