2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23570274
|
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
猪股 伸幸 福岡女子大学, 文理学部, 准教授 (20301335)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | ショウジョウバエ |
Research Abstract |
本研究では、アミラーゼ遺伝子発現システムをモデルとして発現調節の分子基盤について全体像を明らかにし、それらの自然集団における動態を集団遺伝学的に解析することにより発現調節による適応の進化メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成23年度の研究実施計画の通り「発現調節の度合い」に関与する責任候補遺伝子の網羅的探索を行った。キイロショウジョウバエでは「発現調節の度合い」は成虫より幼虫方が大きいので幼虫を使って実験を行った。キイロショウジョウバエの標準系統をグルコース培地及びスターチ培地のそれぞれの培地で飼育し、三齢幼虫を回収した。これらのサンプルからRNAを抽出してcDNAライブラリーを作成した。各サンプルについて次世代シーケンサー(illumina HiSeq2000)により転写産物(cDNA)の配列を決定した。各サンプルあたりおよそ1億リード(10Gb)の配列を取得した。取得した配列データをデータベースで公開されているキイロショウジョウバエのゲノムにマッピングし、アノテーションを行った。各遺伝子にマップされたリード数を発現量として定量した。マッピング、アノテーションならびに発現量の標準化をいくつかの方法で行ったところ、方法によって定量結果がかなり異なることが明らかになった。どのような方法がよいかを比較検討した結果、本研究において適当な解析方法を見いだした。2つのサンプル間で発現量が異なるものを「発現調節の度合い」に関与する責任候補遺伝子とした。解析の結果、責任候補遺伝子は多数存在することが明らかになった。現在、実験で検証可能な数にするために責任候補遺伝子の絞り込み(実験の優先順位付け)を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究実施計画「責任候補遺伝子の網羅的探索」は実質終了した。実験の優先順位付けのための責任候補遺伝子の絞り込み中なので、進展具合はおおむね順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は当初の予定通り「責任遺伝子の同定」をおこなう。実験可能な数まで絞り込んだ各責任候補遺伝子について交配実験等を行う。これにより「発現調節の度合い」への関与を確認し、責任遺伝子を確定する。その後、平成25年度に予定している自然集団を用いた「進化メカニズムの検証」につなげてゆく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「責任遺伝子の同定」に必要な実験のための物品購入、情報収集や成果報告のための旅費を使用予定である。
|