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2012 Fiscal Year Research-status Report

遺伝子発現調節の進化メカニズム

Research Project

Project/Area Number 23570274
Research InstitutionFukuoka Women's University

Principal Investigator

猪股 伸幸  福岡女子大学, 文理学部, 准教授 (20301335)

Keywordsショウジョウバエ
Research Abstract

本研究では、アミラーゼ遺伝子発現システムをモデルとして発現調節の分子基盤について全体像を明らかにし、それらの自然集団における動態を集団遺伝学的に解析することにより発現調節による適応の進化メカニズムを明らかにすることを目的とする。
次世代シーケンサー(illumina HiSeq2000)を用いて「発現調節の度合い」に関与する責任候補遺伝子の網羅的探索を行った。次世代シーケンサーによって得られた配列データに基づく転写産物の定量解析では、解析方法によって定量結果が異なることが明らかになったので、適当な解析方法を検討した結果、353遺伝子の責任候補遺伝子を同定した。これらのうち、およそ70遺伝子についてリアルタイムPCRにより遺伝子発現量を定量した。リアルタイムPCRによる発現量の定量結果と配列データ(次世代シーケンサーによる網羅的探索)に基づく定量解析の結果について、アミラーゼ遺伝子の「発現調節の度合い」を基準にして、比較検討したところ、本研究での配列データ解析は、一部偽陽性を含んではいるが、おおむね妥当であることが明らかになった。KEGGデータベースを用いたpathway解析で、353遺伝子の責任候補遺伝子はスターチや単糖の代謝に関連した遺伝子をいくつか含むことが明らかになった。また、アミノ酸配列予測からはタンパク質機能は同等と考えられる重複遺伝子であっても、重複遺伝子間では「発現調節の度合い」は著しく異なるという興味深い知見を得た。
自然集団における発現調節の分子基盤の動態を明らかにするために、2012年12月に西表島でショウジョウバエを採集して自然集団由来キイロショウジョウバエ系統(IR12系統)を確立した。およそ35の自然集団由来系統をグルコース培地及びスターチ培地のそれぞれの培地で飼育して三齢幼虫を回収し、実験解析用のサンプルを準備しているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

同定した353遺伝子の責任候補遺伝子のうち、上位約70遺伝子について、リアルタイムPCRにより遺伝子発現量を定量し、「発現調節の度合い」に関与することを確認できたので、進展具合はおおむね順調である。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は「進化メカニズムの検証」をおこなう。平成24年度に確立した自然集団由来キイロショウジョウバエ系統(IR12系統)を用いて、「発現調節の度合い」の自然集団での動態を明らかにすべく、実験・解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

「進化メカニズムの検証」に必要な実験のための物品購入、情報収集や成果報告のための旅費を使用予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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