2013 Fiscal Year Annual Research Report
ホウレンソウにおける性決定遺伝子コード候補領域の絞り込み
Project/Area Number |
23580001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康之 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (80374619)
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Keywords | 性決定遺伝子 |
Research Abstract |
ホウレンソウの雄特異的領域(MSY, Male Specific region of Y)の一部(約500 Kbp)をカバーするBACクローンの配列について再解析を試みた.その結果,この配列の約60%が反復性の配列(転移因子様配列,Simple repeat, Low complexityおよびMini-satellite)で占められることが判明したが,その大部分が2種類のレトロエレメント(SpRE1およびSpRE2と命名)であることが判明した.SpRE1はタンパク質コード配列の配置に基づいてTy1-copia型に分類されたが,そのLTR配列は既知のものとは相同性を示さない新規のLTRであった.一方,SpRE2のLTRはSpRE1のそれらと高い相同性を示した.しかしながら,SpRE2からはタンパク質コード配列が見出されないことから,非自立型のレトロエレメント(LARD, Large Retrotransposon Derivatives)であることが判明した. ホウレンソウの間性(雌雄同株性)の発現にかかわる主働遺伝子Mのポジショナルクローニングに向けて,これに近接する2つのSCARマーカー(SP_0008およびSP_0022)を作成した.このマーカーに拠って,Mの座乗領域を6 cMの範囲に絞り込むことができた.このマーカーを用いて単離されたホウレンソウゲノムBACクローンを起点にクロモソームウォーキングを試みたが,SpRE1およびSpRE2などの散在性反復配列に阻まれてBACコンティグを拡張させることはできなかった.従って,さらにMに近接したマーカーを開発することが今後の課題である.その有効な方策の一つとして,筆者はSpRE1/SpRE2のLTR配列を利用したTD(トランスポゾンディスプレイ)解析によってマーカー開発を実施することを予定している.
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Research Products
(5 results)