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2012 Fiscal Year Research-status Report

サツマイモ栽培種の効率的な交配育種に向けた自家・交配不和合性の人為的打破

Research Project

Project/Area Number 23580005
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

土屋 亨  三重大学, 生命科学研究支援センター, 准教授 (30293806)

Keywords自家不和合性 / 交配不和合性 / サツマイモ栽培種 / サツマイモ野生種 / S遺伝子
Research Abstract

本研究においては、申請者がこれまで行ってきた、サツマイモ野生2倍体種の自家不和合性に関する研究成果を元に、サツマイモ栽培種の交配不和合性の打破を試みるものである。
申請者のこれまでの研究により、サツマイモ野生2倍体種の自家不和合性を制御するS遺伝子の候補として、雄側で機能するAB2と雌側で機能するSE2およびSEAを同定できた。これらのうち、AB2に関してはバイオアッセイにより、サツマイモ野生2倍体種のS遺伝子であるという直接的な証拠が得られており、現在、その詳細な解析を行っている状況である。しかしながら、雌側のS候補遺伝子に関しては、その産物が膜結合型のタンパク質であると推定されるため、バイオアッセイによる直接的な分析は困難である。
AB2タンパク質のペプチドを用いたバイオアッセイでは、S1-AB2タンパク質の成熟ペプチド部分を元に6つのペプチドを合成し、それらを混合して受粉の際に供試した。雌側にS1ホモ型系統を使用した場合、本来和合となるはずの交配組み合わせにおいて当該ペプチドを供試した際に花粉管の伸長が大幅に抑制された。また、この現象は他のS1以外の雌親を使用した場合には観察されず、S遺伝子型特異的であったことが確認された。現在、他のS遺伝子型のAB2タンパク質のペプチドを使用して同様の解析を進めている。
また、雌側のS候補遺伝子であるSE2とSEAに関しては、当該遺伝子の形質転換体を作出するために、導入遺伝子を構築している。
なお、これまでの解析により、サツマイモ栽培種においては、少なくともサツマイモ野生2倍体種のS3遺伝子を有していることが確認されている。野生種のS3と同様の表現型を示すサツマイモ栽培種を用いて、上記野生種を使用した実験と同様の実験を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本来の計画であれば、現段階で形質転換体を得ているはずであったが、サツマイモ栽培種および野生種の形質転換効率が低いことが最大の問題となっている。現在、これを克服するために、形質転換に用いる供試材料の選定、培養条件の改変などの検討を行っている。
また、バイオアッセイによるS遺伝子の決定に関しても、平成24年度は温室内で、稔性のある花粉を有する花が得られなかった。この原因の一つには、オンシツコナジラミ等の防除に手間取り、殺虫剤の散布回数が例年以上であったことも考えられたが、それ以上に、学内の水質の変化が影響していたと考えられる。一昨年より学内の水道水に大量の地下水を混和する措置が行われており、多量の塩類が植物の生育そのものを抑制したと考えられる。これに関しては、温室内で散布する水、並びに、農薬を調製する水を全て蒸留水に切り替えたところ、その影響が解消され、現在は順調に生育している。これに基づき、現在、生育促進、並びに、開花促進を進めており、遅れを取り戻すべく努力している。

Strategy for Future Research Activity

雄側のS候補遺伝子であるAB2に関しては、前述のバイオアッセイを更に展開し、詳細なデータを収集して当該遺伝子がサツマイモ野生種の真のS遺伝子であることを決定する。また、雌側のS候補遺伝子に関しては、形質転換体の作出を進め、当該遺伝子のいずれかが雌側のS遺伝子であることを決定する予定である。
サツマイモ栽培種に関しては、形質転換に依存しない交配不和合性の打破の有効性を検討するために、雄側のS候補遺伝子AB2の抗体を調製し、これを受粉時に供するアッセイを行う。また、形質転換に依存する交配不和合性の打破を検討するため、サツマイモ栽培種に当該遺伝子のアンチセンスやRNAiを導入して、その効果を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度が最終年度であるため備品は購入せず、形質転換体の作出やバイオアッセイに必要な消耗品(薬品類・プラスチック器具類)の購入や調製(PCRプライマーの合成、ペプチドや抗体の調製等)に使用する。
また、論文投稿に伴う英文校正や投稿料、研究成果発表のための旅費として使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results) Book (2 results)

  • [Presentation] Allorecognition in sporophytic self-incompatibility system of Ipomoea trifida, a close relative of sweet potato2012

    • Author(s)
      Tohru Tsuchiya
    • Organizer
      International Symposium on the Mechanisms of Sexual Reproduction in Animals and Plants
    • Place of Presentation
      Hotel Nagoya Garden Palace, Nagoya, Japan
    • Year and Date
      20121112-20121116
  • [Presentation] サツマイモ野生種の自家不和合性における自他認識メカニズム2012

    • Author(s)
      土屋 亨
    • Organizer
      第7回 アサガオ研究集会
    • Place of Presentation
      九州大学
    • Year and Date
      20120908-20120909
  • [Book] Sexual Reproduction in Animals and Plants2013

    • Author(s)
      Tohru Tsuchiya(分担執筆)
    • Total Pages
      未定
    • Publisher
      Springer
  • [Book] 生物の受精(仮題)2013

    • Author(s)
      土屋 亨(分担執筆)
    • Total Pages
      未定
    • Publisher
      化学同人

URL: 

Published: 2014-07-24  

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