2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580008
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷口 研至 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10163627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草場 信 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20370653)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | キク属 / 栽培ギクの起源 |
Outline of Annual Research Achievements |
キメラ遺伝子NCED3aについて、キク属25野生種79系統、390ハプロタイプの塩基配列から、種あるいは地域特異的相同断片を特定し、幅広い系統から選択した栽培ギク10系統(大輪ギク:中国ギク、厚物、管物、一文字、中輪ギク:嵯峨ギク、スプレーギク)、48ハプロタイプと比較解析を行った。 その結果、栽培ギクゲノム中には、相同断片の構成比の高い順に、シマカンギク(28%)、栽培ギク(21%)、リュウノウギク群(16%)、キクタニギク(6%)、の各特異的断片より構成されており、90%を占め、残りの10%に無舌状花群特異的断片とイワギク群特異的相同断片が認められた。各品種に見られた野生種特異的断片は、ほとんどが黄花シマカンギクと白花リュウノウギク群より構成されており、日本型と中国型を区別できる地域特異断片では、黄花シマカンギクの日本型と中国型が21% と8%、白花リュウノウギク群の日本型と中国型が16%と5%でいずれも日本型が高い割合を示した。 以上の結果をもとに栽培ギクの起源について考察した。最も高い構成比をもつ相同断片は最後に導入された種と考えられるので、高い種特異的相同断片の割合を示した日本型の黄花シマカンギク(21%:15-36%)と白花リュウノウギク群(ノジギク)(16%:0-33%)が最後に導入された種と考えられた。残りの特異的断片は中国型のシマカンギク群(8%:2-19%)と白花の中国型リュウノウギク群(5%:0-12%)とイワギク群、及び無舌状花群であった。 以上の結果に基づいて、栽培ギクは中国のシマカンギクとリュウノウギク群の雑種化により原始的栽培ギクが作成され、その後日本のシマカンギクあるいはリュウノウギク群と交配されることにより、現代の栽培ギクが二段階で成立したと考えらる、栽培ギクの2段階起源仮説を提唱した。
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Research Products
(2 results)