2011 Fiscal Year Research-status Report
マメ科植物における遺伝子機能獲得型変異体を用いた根の特性に関する遺伝学的解析
Project/Area Number |
23580010
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
明石 良 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (20253809)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | FOXハンティングシステム / セイヨウミヤコグサ / 根の成長と分化 / 根粒形成 |
Research Abstract |
本研究は、シロイヌナズナで構築されたFOXハンティングシステムを用いて、セイヨウミヤコグサ由来のユニークな根培養系(スーパールート)へ機能遺伝子をランダムに導入し、シロイヌナズナ由来の遺伝子がマメ科植物における根の成長と分化および根粒形成に対して影響をもたらす新規な遺伝子の探索を行うものである。本年度は、これまでに作出された130個体について、導入された遺伝子配列の同定と発現解析を行った。導入された遺伝子のなかで、これまで配列が不明であった41系統から3系統が新たに同定された。また、遺伝子が同定された系統の中の6系統については、リアルタイムPCRにて発現量の同定を試みた。さらに、新たに同定された遺伝子が新規なものである場合には、公的データベースに登録し構造解析等を行う計画であるが、本年度に同定された3系統の中に新規なものは含まれていなかった。次年度も引き続き、未同定の系統について遺伝子配列の同定を試みる予定である。一方、次年度における実施予定の地上部および地下部の形態調査において、地上部については一部の調査を前倒で進めており、特徴的な形質を示す系統を選抜することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
塩基配列の同定と発現解析は進行しているものの、全ての解析は終了しておらず、次年度以降も引き続き実施する。しかしながら、次年度実施予定の、機能未知の遺伝子が導入された個体の特性調査において、地上部に関しては一部の調査を前倒で進めた。以上のことから、研究の目的は概ね達成していると見なした。
|
Strategy for Future Research Activity |
配列未同定の系統について引き続きシーケンス解析を進める。解析が困難な系統については、増幅産物をTAクローニングし解析する。また、得られた個体の中から40系統を選び、開花期における地上部と地下部および根粒形成における特性調査を行う。特性調査は、先のミヤコグサにおけるQTL解析の論文(Gondo et al. 2007)に準じて行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費は、特性調査を行う上で必要な植物育成に関わる培養ポットや土、シーケンス解析に必要な試薬類およびプラスチック器具類の購入に使用する。また、設備備品として、地下部の特性調査を行うために必要な、画像解析装置一式を購入する予定である。その他、成果発表のための旅費および論文投稿料、光熱水費として使用する予定である。
|