2013 Fiscal Year Annual Research Report
わが国西南暖地における食用カンナのバイオマス・デンプン生産性の解明と利用開発
Project/Area Number |
23580022
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 由徳 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (00093956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 彰 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (00304668)
河野 俊夫 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (60224812)
松川 和嗣 高知大学, その他の研究科, 准教授 (00532160)
田中 伸幸 公益財団法人高知県牧野記念財団, その他部局等, 研究員 (40393433)
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Keywords | 食用カンナ / 作期 / バイオマス / デンプン / 利用開発 / 国際情報交換 / ベトナム |
Research Abstract |
植付け時期を4月中旬(作期I),5月中旬(作期II)および6月中旬(作期III)として,高知県沿岸平坦部 (南国市篠原地区:標高8.5m,以下南国と表記) と中山間地 (長岡郡大豊町怒田地区:標高520m,以下大豊と表記) で栽培試験を行った.供試系統は台湾赤系統(2倍体,以下台湾赤)で,大豊の作期はIIとIIIのみとした.また,南国の作期IIでは,台湾産赤系統の他に,台湾産緑系統(3倍体,以下台湾緑),ベトナム産赤系統(3倍体,以下ベトナム赤)およびパプアニューギニア産系統(2倍体,以下パプア)を供試した.そして,これらの栽培地,作期における各系統のバイオマスとデンプン生産性の比較を行った.収穫時期は,南国では11月下旬,大豊では11月中旬とした.まず,台湾赤系統では,南国,大豊とも作期の早いほど収穫期の地上部と根茎のバイオマス量が優った.また,同じ作期における根茎のバイオマス量は,南国に比べて大豊で高く,根茎/地上部重比が高かった.根茎のデンプン含有率は,南国,大豊ともに作期が早い区ほど高くなり,その結果,デンプン収量も高くなった.同じ作期では,大豊で南国よりもデンプン収量が優った.南国の作期IIにおける系統間比較では,地上部と根茎のバイオマス量は,それぞれベトナム赤と台湾赤で最大となり、パプアで両者とも最少となった.根茎のデンプン含有率はベトナム赤で最も高く,デンプン収量も最大値を示した. サイレージ化食用カンナを高知系褐毛和種に給餌したところ,育成期の増体を促し,骨格筋内脂肪の融点を低下させる効果があることがわかった.さらに,肉用牛飼養における肥育時の物質収支を明らかにした. 食用カンナデンプンを添加したパスタは,食感としては少し硬くはなるが,ソバのような噛みやすさがあり,茹で上げ時の芯の硬さも小麦を主材料とするパスタと有意差がなく,新食感のパスタの開発の可能性が示された.
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Research Products
(2 results)