2013 Fiscal Year Annual Research Report
イタリアンライグラスにおけるセルロース合成変異の分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
23580027
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
高橋 亘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所飼料作物研究領域, 主任研究員 (70455319)
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Keywords | 遺伝子 / カマイラズ / ゲノム / 細胞壁 / セルロース / DNAマーカー / 牧草 / バイオマス |
Research Abstract |
本課題の全研究期間を通じて以下の成果を得ることができた。 2011年度は変異系統の特性の調査を行った。即ち、変異系統のカマイラズ形質は茎葉の柔軟性が他の品種より極端に低く、特に出穂茎においてその違いが明らかであったことから、これらの特性を数値化するため、出穂茎の物理的強度をフォースゲージにより測定し、本系統が既存品種・系統の出穂茎が折損する負荷の55%程度で折損し、折損部が乖離するという特徴を明らかにした。また、飼料成分分析を行い、変異系統の総繊維含量は他の品種・系統よりも低く、セルロース含量が他の品種系統の半分程度の値であり、ヘミセルロース含量においては他の品種・系統より高い値を示すことを見出した。 2012年度はカマイラズ形質遺伝子座解析するため、当初、変異系統と正常系統を交配して得た5つのF1集団を養成した。これら集団が解析に利用できるかを確認するため、曲げ強度や飼料成分分析による表現型調査を実施したが、明瞭なカマイラズ形質を示す個体はどの集団にも存在せず、集団内において表現型分離を認めることが出来なかった。このことからカマイラズ形質は少なくとも優性遺伝しないことが示唆された。そこで、F1集団から個体を選び、シブクロスあるいはカマイラズ親へのバッククロスによりさらに世代を進め、15集団(バッククロス5+シブクロス10)を養成した。 2013年度では、バッククロス由来1集団(BC1F1集団)の表現型がカマイラズ形質と正常形質で1:1に分離しことから、カマイラズ形質が遺伝的に劣性の1遺伝子により支配されていることを確認した。さらに、BC1F1集団および126個のライグラスSSRマーカーを用いたバルク分離型解析により、5個のマーカーをスクリーニングした。既存のライグラス連鎖地図においてこれらのマーカーの位置情報から、当該遺伝子座が第4連鎖群上に存在することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)