2011 Fiscal Year Research-status Report
都市緑地におけるストレス緩和を目的としたナイトランドスケープの提案と効果検証
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23580033
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩崎 寛 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70316040)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ストレス / 緑化 / 都市緑地 / ナイトランドスケープ |
Research Abstract |
1.ナイトランドスケープの生理・心理的効果検証:商業施設での屋上緑化部分における利用に関する実験の結果から、夜間でもストレス緩和効果があることが明らかになった。この研究成果は緑化工学会等で公表された。また、商業施設の屋上緑化部分の利用に関するアンケートも実施し、現在、その結果をまとめている段階である。2.ナイトランドスケープのモニタリング調査:1年目である23年度は海外におけるナイトランドスケープの先進事例として韓国のチョンゲチョン(清渓川)における調査を中心に行った。夏、秋、冬と各季節における昼間と夜間の利用状況の違いの調査、また河川の緑化割合の違いによって3つのエリアに分け、各エリアごとでの印象評価、POMSの測定をおこなった。その結果、夏期においては昼間も夜間も利用者が多かったが、その利用者層と、利用内容が異なっていた。昼間は近辺の勤務者だけでなく、観光客や子供連れの家族など幅広い利用があり、水に足を入れるなどの利用が多いが、夜間は若者や近隣の勤務者など大人同士の利用が多く、散策や休憩などの利用が主体となっていた。また、緑量や自然の残存量と利用者数の相関は見られず、人工的な緑化空間でも、配置や照明、プログラムによって利用者が増加することがわかった。冬期は夏期よりも利用者が減るが、一定の人数は利用していた。ただ、利用時間が夏期に比べ短いことがわかった。そのほか、次年度以降の本調査に向けて、現地の大学(江陵大学やソウル大学)との研究打ち合わせ等を実施した。3.成果のアウトプット:先述の緑化工学会の発表に加え、韓国緑地環境デザイン学会において研究成果の一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定した3項目(1.ナイトランドスケープの生理・心理的効果検証、2.ナイトランドスケープのモニタリング調査、3.成果のアウトプット)が、予定通りに進み、学会発表にも結びついたことから、順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定通り3項目を進める。1.ナイトランドスケープの生理・心理的効果検証:ここでは、国内の緑地における夜間利用の心理調査を実施する予定である。2.ナイトランドスケープのモニタリング調査:先進事例であるチョンゲチョンでの調査を中心に実施する予定である。3.成果のアウトプット:1年目の成果および、2年目の成果がまとまり次第、学会発表、論文化を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1年目の使用結果から、旅費を当初の予定よりも増やす。また1年目に設備備品費で購入予定であった唾液アミラーゼ測定装置であるが、新たに開発された唾液コルチゾール測定装置の方が、直接ストレスホルモンを測定することができることから、そちらに変更することにした。また、その装置は2年目の本実験で使用を計画していることから、1年目には設備備品費を使わず、当初備品購入の予定の無かった2年目に設備備品費の予算を入れた。なお、旅費等の増加分は、1年目に人件費等がかからなかったことから、それらを減額することで対応する予定である。
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Research Products
(2 results)