2011 Fiscal Year Research-status Report
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23580053
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
津呂 正人 名城大学, 農学部, 准教授 (40410774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南山 泰宏 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (00463266)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ラベンダー / 精油 / モノテルペン / SSR / 香り |
Research Abstract |
本年度はSSRマーカーの作成と精油生合成遺伝子導入個体の作出を行った.(SSRマーカーの作成)真正ラベンダーとスパイクラベンダーの種間雑種であるラバンジンのゲノムDNAからSSR濃縮ライブラリーを作成し,塩基配列を解読後,51種類のSSR増幅用プライマーを構築した.本研究では,GT(TG)およびCT(TC)リッチな配列を標的としてライブラリーの作成を行っていたが,得られたSSRの多くはTC(CT)およびAG(GA)リッチな配列であった.(精油生合成遺伝子導入個体の作出)遺伝子データベースを利用し,真正ラベンダーの花穂由来mRNAからリモネンおよびリナロール合成酵素遺伝子をクローニングしてcDNAを作成した.得られたcDNAを強発現する形質転換用バイナリープラスミドに挿入し,Agrobacterium tumefaciensに導入した.リモネン合成酵素遺伝子については,A.tumefaciensを用いてラバンジンに導入し形質転換体を数個体獲得することができた.形質転換体については,現在も培養を継続して作出を行っている.得られたリモネン合成酵素遺伝子導入個体について,葉における導入遺伝子の転写量は非形質転換体の2から8倍程度高かったが,リモネンの成分比に有意な差は認められず,他方,ボルネオールやカンファーの成分比に著しい差異のある個体が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(SSRマーカーの作成)SSRについては,濃縮ライブラリーの作成,ライブラリーの塩基配列解読ならびにプライマーの構築まで完了しており,申請書の予定通り進行している.(精油生合成遺伝子)精油生合成遺伝子については,真正ラベンダーよりリモネン合成酵素ならびにリナロール合成酵素遺伝子cDNAを単離し,バイナリープラスミドに導入が完了している.また,リモネン合成酵素遺伝子では,Agrobacteriumを用いてラバンジンに導入し,形質転換体をいくつか作出している.ここまでは,申請書に示した予定と大きく異なることはなく,概ね順調に推移している.このため,本研究の大きな軸となる2大課題について概ね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
(SSRマーカー)23年度に作成したSSRマーカーの有効性を検証するため,多品種のラベンダーを用いて多型性の有無を確認する.また,他のシソ科植物での利用可能性を検証する.さらに,連鎖地図作成のため,F1雑種集団の作成を行う.(精油生合成遺伝子)リナロールおよびリモネン生合成遺伝子を導入したラバンジン形質転換体の作出を行う.得られた形質転換体について,葉および花穂の精油を抽出し,導入遺伝子が精油生合成に及ぼす影響を調査する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(SSRマーカー)本年度作成したSSRマーカーの有効性を検証するために必要な酵素類,F1集団作成のために必要な土等の消耗品を購入する予定である.(精油生合成遺伝子)リナロールおよびリモネン合成酵素遺伝子導入個体作成に必要な試薬およびプラスチック器具類,形質転換体を確認するための酵素類,ならびに精油分析に必要な試薬およびカラム等消耗品を購入する予定である.
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Research Products
(7 results)