2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580056
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
永田 雅靖 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所 野菜病害虫・品質研究領域, 上席研究員 (60370574)
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Keywords | 鮮度評価 / 青果物 / 遺伝子発現 / マルチプレクスRT-PCR |
Research Abstract |
野菜の「鮮度」は、主に外観で評価され、物性、内容成分の変化も補助的に用いられるが、栽培時期等によって大きく異なるため、これらの数値のみで野菜の鮮度を客観的に評価することは困難である。そこで、特に鮮度低下の激しい葉菜類を対象に、野菜の収穫後に起きる生理変化と、その原因となる遺伝子の発現に着目して、鮮度低下に伴って発現する遺伝子群を特定し、それらの簡易な検出法を新たに開発することを目的とする。平成23年度は、ホウレンソウの貯蔵前後で発現量に差のある遺伝子177個の塩基配列を決定した。これらのうち、クロロフィル結合タンパク質、ポリガラクチュロナーゼ前駆体、システインプロテアーゼ様タンパク質、塩誘導疎水性タンパク質のフラグメントが増幅されるようにPCRプライマー(25 mer)を設計して、これらを鮮度マーカーとして、外観変化が現れる前から鮮度低下の兆候を検出可能なマルチプレクスRT-PCRによる鮮度評価法を開発した。24年度は、ブロッコリーで同様の実験を行い、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、暗黒誘導タンパク質、ペクチナーゼをマーカーとして、鮮度低下を検出可能な方法を開発した。また、レタスでも同様の試験を行い、カタラーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、感染特異的タンパク質、プロテアーゼインヒビタの組合せで鮮度評価が可能になった。25年度は、ホウレンソウとブロッコリーにおいて、先に明らかにした遺伝子の塩基配列情報からリアルタイムPCR用のプライマーを設計し、発現量の変化が大きい遺伝子を選抜した。さらに、植物種の異なるホウレンソウとブロッコリーで、共通して鮮度低下を検出できるプライマーの組合せを検討した結果、ホウレンソウのシステインプロテアーゼ配列をもとに設計したディジェネレートプライマーのうち、増幅されるフラグメントが506 bpとなる組合せが、共通の鮮度マーカーとなることを見いだした。
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