2011 Fiscal Year Research-status Report
植物におけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性:侵入・伸展抵抗性の分子基盤の解明
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23580064
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
石川 敦司 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (70264687)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | イネいもち病 / 非宿主抵抗性 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本研究の目的は、植物のイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性(侵入・伸展抵抗性)を制御する新規遺伝子の単離と機能解析および制御遺伝子間ネットワーク機構の解析を行い、重要な制御因子を明らかにするとともに非宿主抵抗性の全体像を理解することである。 本年度は、シロイヌナズナ非宿主抵抗性関連変異体間で交配を行い、得られた多重変異体におけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性(侵入・伸展抵抗性)を解析し、各制御因子の非宿主抵抗性(侵入・伸展抵抗性)における機能解析および遺伝学的位置づけを行った。その結果、シロイヌナズナpen2 NahG pmr5 agb1変異体やpen2 NahG pmr5 mlo2変異体において、イネいもち病菌に対する侵入抵抗性が著しく低下すること、また侵入を受けた表皮細胞内で侵入菌糸が成長することが明らかとなった。さらに、イネPi21をpen2 NahG pmr5 mlo2変異体に導入したところ、イネPi21は、イネいもち病菌の侵入菌糸がシロイヌナズナの表皮細胞から隣接する葉肉細胞へ伸展することを促進することが明らかとなった。これらの結果は、シロイヌナズナにおいて、PEN2、PMR5、AGB1、およびMLO2がイネいもち病菌に対する侵入抵抗性のみならず侵入後抵抗性においても機能することを示し、またシロイヌナズナにおけるイネPi21の欠損がイネいもち病菌に対する伸展抵抗性に寄与していることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究により、シロイヌナズナにおいて、PEN2、PMR5、AGB1、およびMLO2がイネいもち病菌に対する侵入抵抗性のみならず侵入後抵抗性においても機能していることを明らかにした。また、イネPi21は、イネいもち病菌の侵入菌糸がシロイヌナズナの表皮細胞から隣接する葉肉細胞へ伸展することを促進することを明らかにした。 以上のことから、到達目標通りの成果を上げることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、今後もさらに本研究を推進させていく予定である。 シロイヌナズナpen2 NahG pmr5 mlo2変異体を用いて、イネいもち病菌に対する非宿主抵抗性が増大および減少する突然変異体を探索する。スクリーニングには、EMS処理したpen2 NahG pmr5 mlo2変異体の集団とシロイヌナズナFOXライブラリー(完全長cDNAライブラリー)を導入したpen2 NahG pmr5 mlo2変異体の集団を用いる。これにより非宿主抵抗性に促進的あるいは抑制的に作用する遺伝子を単離する。 シロイヌナズナpen2 NahG pmr5 mlo2変異体にイネいもち病菌を接種し、経時的にRNAを調整し、アレイ解析を行う。サンプル間で遺伝子発現を比較することにより、シロイヌナズナとイネいもち病菌の遺伝子発現の変動を明らかにする。この結果から、シロイヌナズナの非宿主抵抗性における制御因子を探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、上記のように新たな突然変異体の探索とアレイ解析を行う予定である。そこで研究費は主にその物品費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)