2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580073
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山中 明 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20274152)
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Keywords | チョウ / 蛹体色 / 環境適応 |
Research Abstract |
最終年度は、これまで報告のないカラスアゲハの蛹体色調節機構について検討した。カラスアゲハ老熟幼虫を、様々な環境条件(蛹化面の粗滑、食草の匂いの有無等)下で蛹化させた時に生じる蛹の体色について調べた。その結果、長日条件下において、非休眠蛹は、緑色、褐色あるいは黄色‐オレンジ色、また、長日休眠蛹は、濃緑色・緑褐色およびオレンジ色の蛹体色となった。一方、短日条件下の短日休眠蛹は、濃緑色・緑褐色およびオレンジ色の体色となり、長日休眠蛹の体色と類似していた。粗面上で蛹化した個体は褐色型になる割合が高かったが、粗面上でも食草の匂いがあると緑色型の割合が増加した。また、食草がない粗面・高湿度下においても、緑色型の割合が増加した。本種の蛹体色発現は、幼虫期の日長、蛹化面の粗滑、食草の匂いの有無あるいは湿度が複合的に関与していることが明らかとなった。また、ナミアゲハ幼虫のオレンジ色蛹誘導化因子(OPIF)の単離精製を効率的に行えるように、ヒメアカタテハ前蛹結紮腹部を用いてOPIF様の蛹体色調節因子(OPIF様因子)活性の検定が可能であるかどうかを検討した。その結果、ナミアゲハ幼虫の中・後胸神経節・腹部神経節連合体から調製した粗抽出液の濃度応答に対してヒメアカタテハ前蛹結紮腹部の体色は、濃度依存的に体色を変化させたのでOPIF様因子の生物検定が可能となった。この生物検定方法を用い、ナミアゲハOPIF様因子の精製を試みた。OPIF様因子は、これまでのOPIF の部分精製過程において、ナミアゲハ前蛹結紮腹部を用いた生物検定法でOPIF活性が認められた溶出画分と同じであったことから、ヒメアカタテハの蛹体色の黒色化を抑制する因子とOPIFは同じ因子であることが示唆された。ヒメアカタテハ生物検定法を用いOPIF様因子の精製を試み、C18-HPLCでの溶出ピークを特定した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Regulatory mechanisms in phenotypic plasticity of diapause and non-diapause pupal colouration of the swallowtail butterfly Papilio machaon.2013
Author(s)
Yamanaka, A., Tsujimura, Y., Oda, Y., Uchiyama, T., Kometani, M., Yamamoto, K., Kitazawa, C.
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Journal Title
Physiological Entomology
Volume: 38
Pages: 133-139
DOI
Peer Reviewed
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