2011 Fiscal Year Research-status Report
宿主昆虫‐共生細菌間相互作用の分子機構の解明とその利用基盤技術の開発
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23580084
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
安佛 尚志 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (30392583)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 共生細菌 / 生殖操作 / キイロショウジョウバエ / スピロプラズマ / ファージ / P58 / カスリショウジョウバエ / 性比 |
Research Abstract |
キイロショウジョウバエと、その共生細菌で「雄殺し」という生殖操作をおこなうスピロプラズマからなる共生系をモデル実験系とし、スピロプラズマおよびそのファージの共生関連遺伝子とその機能や、スピロプラズマと宿主免疫機構との関係、子孫の性比に関係する宿主遺伝子とその機能などについて明らかにすることを目的に研究を遂行した。1.3系統のスピロプラズマ(Drosophila nebulosa由来の雄殺しスピロプラズマNSRO系統、NSRO系統の突然変異体で雄を殺さないNSRO-A系統、キイロショウジョウバエ由来の雄殺しスピロプラズマMSRO系統)のファージのゲノム解析を進め、それぞれ予想される全長にほぼ等しい19,019 bp、18,372 bp、19,052 bpの結合配列を得た。ORF検索により、それぞれ23(ないし24)のORFが推定され、Spiroplasma citriや雄殺しスピロプラズマの既知の遺伝子と高い相同性を示した。その中にはS. citriにおいて昆虫との相互作用に関わっていると推測されるP58, P12, P18, P54, P123が含まれていた。その他、スピロプラズマのファージの組換えタンパク質遺伝子や機能未知の膜透過タンパク質遺伝子が存在した。3つのファージの間で遺伝子のレパートリーはほぼ一致していたが、一部異なる部分もあり、雄殺しとの関連が興味深いところである。2.カスリショウジョウバエのスピロプラズマの、微小注入法によるキイロショウジョウバエへの移植を試みたが、成功しなかった。3.性比が雄に偏る(=雌致死)16系統について、inverse PCRによる原因遺伝子の同定を進め、esg, emc, h, aop, CG10543などが候補として得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3系統のスピロプラズマファージの全ゲノム決定、遺伝子の推定、スピロプラズマ系統間での比較、性比関連宿主遺伝子の候補の同定等をほぼ予定通りに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
同定されたファージ遺伝子の発現プロファイルのスピロプラズマ系統間での比較解析を中心に進める。また、次世代シーケンサーを用いたトランスクリプトーム解析の導入を検討する。カスリショウジョウバエのスピロプラズマを用いた解析については、キイロショウジョウバエへのスピロプラズマの移植が難航するようなら実施を見送ることも検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会への参加を予定しており、旅費を多めに割り当てる。また次世代シーケンサーを用いた解析をおこなう場合、研究費に占める割合が大きくなることが予想される。
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