2013 Fiscal Year Annual Research Report
褐色黒ぼく土とその類縁土壌の分布特性と地理情報システムによる空間解析
Project/Area Number |
23580085
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 均志 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (30250731)
|
Keywords | 黒ボク特徴 / 褐色黒ぼく土類縁土壌 / 褐色森林土 / ばん土質 / 土壌分類 |
Research Abstract |
本研究は,(1) 褐色黒ぼく土とその類縁土壌を調査し,(2) 地理情報システムによる空間解析の手法を用いてその分布域を予測し,(3) その土壌生成を火山ガラスや他の土壌構成成分の物質科学的解析から詳細に検討することを目的とする。 最終年度(今年度)は,秋田県中央部戸島段丘の黒ぼく土-褐色森林土系列をモデル地域とした精密土壌調査と試料採取および詳細な分析を実施した。具体的内容は次の通り。戸島段丘にある秋田県森林技術センター内のスギ人工林と広葉樹林の約 2.0 ha を調査地として48地点からの簡易土壌試料採取と理化学性の分析を行い,その結果を参考に5地点で土壌断面調査および試料採取および詳細な分析を実施し,戸島段丘でみられる褐色黒ボク土類縁土壌の地形に応じた分布(空間分布)を明らかにした。また,昨年度実施した大衡丘陵の調査結果は「宮城県中央部大衡丘陵の褐色森林土にみられる黒ボク特徴の空間分布」と題して国内学会で9月に報告した。 研究期間全体を通じて行った精密土壌調査とその分析結果のまとめについては「黒ボク土地帯に隣接する丘陵地の土壌における活性Al及びFeの空間分布-大衡丘陵(宮城県)と戸島段丘(秋田県)を対象とした事例研究-」と題して国内学会で3月に報告し,黒ボク特徴の変化は殆どの地形区分で活性Alによって説明できるが谷底面は活性Feの寄与が大きいこと,土壌分類では谷底面は湿性褐色森林土,小段丘面(大衡丘陵)や麓部斜面(戸島段丘)はばん土質褐色森林土,その他の地形区分は普通褐色森林土(大衡丘陵)と台地褐色森林土(戸島段丘)に分類されることを明らかにした。一連の地形面における土壌分類名の変化は褐色黒ボク土類縁土壌の丘陵地における分布を特徴付けるものであったが,当初の研究目的の一つである火山ガラスの物質科学的解析については十分な結論を得るには至らなかった。
|