2012 Fiscal Year Research-status Report
酸性ホスファターゼ分泌能が高いアーバスキュラー菌根菌の探索とその利用
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23580086
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
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Keywords | 菌根菌 / リン / ホスファターゼ / 菌糸 / 有機物 |
Research Abstract |
菌根菌による有機態リン酸の可給化が示唆されているが、根の分泌物と菌糸の分泌物を区別して採取することができなかったため、菌糸から酸性ホスファターゼが分泌されているかどうかは不明であった。本研究ではコンパートメントポット栽培と毛状根を用いて、高ホスファターゼ分泌菌の培養による酸性ホスファターゼの精製と性質解明を試みる。アマ(Linum usitatissimum)およびチコリー(Cichorium intybus)の毛状根の根端2-3 cmを切り取り、フェノールフタレイン二リン酸四ナトリウム塩を加えたModified Strullu-Romand培地(以下、MSR培地)上に継代し、暗所、27℃の条件で2週間培養した。菌根形成していない毛状根(以下、-M)区および菌根形成していない毛状根にG. clarum胞子を接種した(以下、+M)区の2処理区を設けた。培養後、1M 水酸化ナトリウム溶液を培地に加え、ACP活性を検出した。培地上における根圏ACP活性はアマおよびチコリーの両方の毛状根で検出できた。チコリー毛状根では-M区よりも+M区において高いACP活性が検出された。それに対してアマ毛状根では-M区および+M区の間にACP活性に差は見られなかった。これらのことからAM菌による菌根形成は一部の植物に対して根圏ACP活性を高める効果があること示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンパートメントペトリ皿で培養した毛状根を用いてアーバスキュラー菌根菌の外生菌糸の酸性ホスファターゼ活性を検出することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ンパートメントポット及びコンパートメントペトリ皿を用いてアーバスキュラー菌根菌を培養し、外生菌糸から浸出される酸性ホスファターゼ活性に対する宿主植物のリン栄養状態の影響を明らかにし、さらに外生菌糸から培地中に放出された酸性ホスファターゼの分子量、基質特異性、阻害剤の影響等の酵素化学的諸性質を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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