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2012 Fiscal Year Research-status Report

チャの硝酸吸収同化関連遺伝子のクローニングとその発現制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23580088
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

森田 明雄  静岡大学, 農学部, 教授 (20324337)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 一家 崇志  静岡大学, 農学部, 助教 (90580647)
Keywordsチャ / 硝酸還元酵素 / 硝酸トランスポーター / 硝酸同化
Research Abstract

平成24年度は,前年度に引き続き硝酸還元酵素 (NR),亜硝酸還元酵素 (NiR) と硝酸トランスポーター遺伝子 (NRT) の単離および発現特性の解析を中心に行った.
NRとNiRについてDegenerate PCRによる新規相同遺伝子の単離を試みたが,新規の相同遺伝子の単離には至らなかった.一方,チャ‘やぶきた’のNRとNiRのゲノムDNA配列解読を行い,現在までに約8割程度解読した (NRで約7 kbp,NiRで約2.5 kbp).その結果,NRでは第1,第2エキソンの後にそれぞれ567 bp,約4 kbpのイントロンを,NiRでは少なくとも2つ以上のイントロンと3つ以上のエキソンを含むことが明らかになった.同時に,チャ20品種 (中国種15品種,アッサム種5品種) のNRとNiRのmRNA配列を明らかにし,品種間でアミノ酸配列に数箇所の変異は見られたが,金属結合部位や活性中心などの保存性の高い重要な部位に大差はみられなかった.
やぶきたNRのmRNA配列のコンピューターによるタンパク質構造を酵母のNRとの比較による構造解析を行ったところ,活性部位などに変化は見られず,タンパク質の構造自体の変異がチャのNR活性の低い原因である可能性は低いと考えられた.やぶきた新芽について,NRとNiR転写量の日長変動を調査した結果,これら遺伝子の光強度による発現変動への影響は低いと考えられた.
NRTについてはシロイヌナズナの高親和性NRTの一種であるNRT2-1とNRT2-4の全長配列の獲得に成功した.これら遺伝子の転写レベルは,いずれも-N条件下で誘導され,アンモニア存在下では抑制されることが分かった.
単離したチャNR,NiRおよびNRTをシロイヌナズナのそれぞれの遺伝子破壊株への導入を試みており,コンストラクトの作製と遺伝子破壊株のホモ個体の選抜と種子増殖を終了した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は,NR,NiRおよびNRTのさらなる単離と構造解析,さらには品種間における差異の解析を中心に行った.
NRTに関しては硝酸吸収に重要な役割を担うNRT2の単離に成功し,さらにはその他の相同遺伝子についても数種類断片配列を得ることに成功した.NRおよびNiRに関しては,チャの代表的品種20種についてmRNA配列の比較と構造解析を行い,保存性の高い領域には大きな変異が見られないが,品種間では数箇所に構造的変異があることを明らかにできた.また,これら遺伝子の転写レベルを調査し,窒素条件に対する応答性があり,光応答性は見られず,品種間による差異があることから,今後は発現レベルの調節メカニズムの解明が必要であると考えられた.

Strategy for Future Research Activity

これまで進捗している内容について引き続き遂行すると共に,当初の計画書通りタンパク質の構造解析と転写因子の解明を行う.具体的には以下の通りである.
1.これまでに単離したチャのNR,NiR並びにNRTについて,それぞれの遺伝子をノックアウトしたシロイヌナズナ変異体を用いた相補組換え体の作出を進めると共に,表現型による機能解析を行う.
2.チャの代表的な20品種(中国種とアッサム種を含む)について,日長変動による遺伝子の転写レベルを調査すると共に,コンピューターによるタンパク質の構造解析,リン酸化部位の推定などを行い,タンパク質レベルでの解析を行う.
3.NR,NiR並びにNRTの転写調節機構を解明するため,プロモーター解析を中心としたゲノムDNA配列の解読を行う.NRについては遺伝子上流および下流領域が転写調節に大きく関与することがモデル植物などで報告されていることから,チャにおいても同様の機構が関与するかを明らかにする.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度に引き続き,遺伝子の発現解析を中心に行うと共に,タンパク質レベルでの解析を行う.従って,一連の解析に必要な分子生物学用の試薬類を計上する.さらに,研究に必要最低限のプラスチック類やガラス器具などの消耗品を計上する.この他にも,学会発表のための旅費や,多数の品種を用いた多くの化学成分分析を行うため,実験補助やデータ整理のための謝金を計上する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] チャの硝酸同化系酵素遺伝子の単離とその発現特性の解析2012

    • Author(s)
      馬場拓也,一家崇志,森田明雄
    • Organizer
      日本土壌肥料学会
    • Place of Presentation
      鳥取大学(鳥取県)
    • Year and Date
      20120904-20120906
  • [Presentation] チャの無機態窒素トランスポーターの単離とその発現特性2012

    • Author(s)
      武亮介,一家崇志,森田明雄
    • Organizer
      日本土壌肥料学会
    • Place of Presentation
      鳥取大学(鳥取県)
    • Year and Date
      20120904-20120906

URL: 

Published: 2014-07-24  

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