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2012 Fiscal Year Research-status Report

飼料に添加されたセレンの農耕地生態系での動態と野菜による吸収

Research Project

Project/Area Number 23580093
Research InstitutionMiyagi University

Principal Investigator

木村 和彦  宮城大学, 食産業学部, 教授 (10183302)

Keywordsセレン / たい肥 / 有機態セレン / 無機態セレン / 形態別分析
Research Abstract

各種形態別のセレンの測定方法を検討し,陰イオン交換型のカラムを用いたHPLCで分離後にICP-MSでセレンを検出する方法で行ったところ,無機ではセレン酸,亜セレン酸,有機ではセレノシステイン,セレノメチオニンの形態別の分析ができることを確認した。
土壌に亜セレン酸およびセレン酵母を投与して小松菜を栽培し,土壌中での形態変化および野菜中でのセレンの形態を解析した。なお,セレン酵母中のセレンは,プロテアーゼでタンパク質をアミノ酸に分解して測定したところ,セレンのうち85%がセレノメチオニンで残り15%がセレノシステインであった。
小松菜中のセレンの形態は,プロテアーゼでタンパク質をアミノ酸に分解して測定した。亜セレン酸投与区では,セレノシステインは検出されず,セレノメチオニン,亜セレン酸およびセレン酸が検出された。また,投与量を増やすとセレン酸の割合が増加した。跡地土壌のセレン形態をNaOHで抽出後に,分析したところ殆どが投与量が少ないとセレン酸がみられたが,投与量が多いときは殆どが亜セレン酸であった。このことから,亜セレン酸として投与された場合は,セレン酸にならずにそのまま亜セレン酸として存在し,吸収後はセレン酸に変化して蓄積したとみられた。
セレン酵母を投与した区では,小松菜中のセレン形態は,亜セレン酸,セレノメチオニン,セレン酸がほぼ同じ割合で存在しており,投与量を増やしても割合は大きな変化はなかった。一方,跡地土壌では投与量が多いと亜セレン酸が殆どであり,有機のセレンはほとんどなかった。土壌中では,亜セレン酸に変化するものの,変化前に吸収された場合には,セレノメチオニンでも吸収することが考えられた。
なお,形態別の分析では実試料のセレノシステインは分離が不十分な場合があり,濃度が低いこともあり精度がやや悪い。実試料での測定条件を再検討する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定したガスでの形態変化は,測定法が十分に確立できていないため追跡ができていない。
しかし,無機態および有機態での形態変化の検討はHPLCとICP-MSを組み合わせて行うことができた。また,有機態のセレンを土壌に投入した場合には,土壌中で亜セレン酸に変化することが明らかになった。
また,たい肥については十分な検討を行うに至っていない。

Strategy for Future Research Activity

ガス態のセレンの測定については,引き続き検討を進める。
今後は,土壌中でのセレンの形態変化のうち有機セレンが無機セレンに変化する速度を詳しく検討する。併せて,植物での有機セレンへの形態変化についても詳細に検討する。その際,有機態のセレンのうちセレノシステインの検出が難しいことが判明したので,実試料で分析条件をさらに検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

消耗品で,アルゴンガスおよびカラムなどの購入を予定している。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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