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2012 Fiscal Year Research-status Report

マメ科植物の窒素固定共生の制御における植物・微生物間相互作用の解析

Research Project

Project/Area Number 23580095
Research InstitutionNational Institute of Agrobiological Sciences

Principal Investigator

梅原 洋佐  独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 主任研究員 (00391558)

Keywords窒素固定 / マメ科植物 / 根粒菌 / 細胞内共生
Research Abstract

マメ科植物と根粒菌の共生による窒素固定能の制御に関わる宿主植物因子及び、それらによって成り立つ植物・微生物間相互作用の解明を目指す。本研究では、根粒を形成し根粒菌の細胞内共生も成立するが、窒素固定活性に異常を示すミヤコグサFix-変異体Ljsym104の原因遺伝子として単離された根粒特異的なAspartic peptidaseが、根粒菌の細胞内共生体(バクテロイド)化とバクテロイドを含む共生特異的な細胞内小器官であるシンビオソームの形成に果たす役割の分子生物学的解明、およびバクテロイドの窒素固定活性を支える根粒特異的なジカルボン酸トランスポーター遺伝子の機能解析を実施する。
LjSym104に関して、MBPとの融合蛋白の利用により、可溶性画分に発現させることに成功したが、peptidase活性は検出できなかった。根粒細胞内での局在部位解析のために大腸菌で発現させた蛋白を抗原として作成したポリクローナル抗体は、Western Blotでは有用であることを確認したが、根粒切片を用いた免疫組織化学ではシグナルは検出できていない。また、SYM104:GFP及びSYM104:mCherryを毛状根形質転換系により導入したミヤコグサ根粒では、融合蛋白の蛍光は検出できなかった。
DCT1に関しては、これが気孔開閉において作用するアニオンチャンネルであるSLAC1ファミリーに属する蛋白をコードしていることが明らかになった。この遺伝子のエクソン部分にLORE1の挿入がある変異体候補が見いだされたが、種子が得られなかったため、変異体を用いた解析は断念した。毛状根形質転換によるプロモーター::GUSを用いた解析の結果、DCT1の発現部位は根粒非感染細胞であることが示された。3通りのDCT1フラグメントを用いたRNAi実験は、根粒形成や窒素固定活性に関する明確な表現型の変異をもたらさなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

LjSYM104に関して、LjSYM104のペプチダーゼ活性検出は、可溶画分にペプチドを生成する条件の検討に時間がかかった。大腸菌を用いてHis-tag融合蛋白、GST融合蛋白の系、出芽酵母におけるガラクトース誘導系での蛋白質合成を試みたが、いずれも可溶性画分に蛋白質を検出することはできなかった。また、MBPとの融合で生成した可溶性のペプチドに関しても、融合ペプチド、切り離したペプチドとも活性を検出することができておらず、pH等の条件の検討が必要である。局在解析については、ポリクローナル抗体を用いた4%パラホルムアルデヒドにより固定した根粒のパラフィン包埋切片、ビブラトームによる組織切片に対する免疫組織化学と、蛍光蛋白との融合遺伝子を毛状根形質転換系で導入し蛍光を検出する方法を試みているが、特異的なシグナルの検出には至っていない。tag付き遺伝子の導入により、免疫組織化学ができないか検討する。
DCT1に関しては、変異により引き起こされる表現型の変化を見いだすことはできなかった。この遺伝子のエクソン部分にLORE1の挿入がある変異体候補は、種子が得られなかったため、解析を断念した。また、3通りのDCT1フラグメントを用いたRNAi実験を試みたが、根粒形成や窒素固定活性に関する明確な表現型の変異をもたらさなかった。

Strategy for Future Research Activity

LjSYM104のペプチダーゼ活性検出のため、大腸菌を用いた組換え蛋白を用いてpH等の条件検討を行う。遺伝子産物の局在解析のため、カプラーをより長くした蛍光蛋白との融合遺伝子及び、myc等のtagを付与した融合遺伝子を構築し、毛状根系で形質転換したミヤコグサの根粒の共焦点顕微鏡による観察、及び抗tag抗体による免疫組織化学を試みる。
変異体種子が入手不能で、またRNAi実験が明確な表現型を示さないため、DCT1に関する実験は中断する。他の根粒特異的なトランスポーター遺伝子のうち、Peptideトランスポーターのファミリーに属するLjNOD65についてRNAiによる機能解析を行うとともに、根粒での発現解析を実施する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度に生じた研究の遅れから、予定していた実験の一部を平成25年度に延期することとしたため、繰越額については、平成25年度分として計上していた当初の額と合わせ、物品費として使用する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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