2012 Fiscal Year Research-status Report
ビフィズス菌 対 ルミノコッカス属菌腸内細菌の機能性比較
Project/Area Number |
23580097
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅野 行蔵 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50312393)
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Keywords | High Fat / Health Effect / Intestinal Bacteria / Ruminococcus / Bifidobacterium / Fruct Oligosaccharide (FOS) / Yacon / Difructose Anhydride III (DFAIII) |
Research Abstract |
我々は、これまでにプレバイオティクスの候補として難消化性オリゴ糖DEAIIIを開発し、その資化性腸内細菌としてRuminococcus productusAHU 1760をヒトから単離した。本研究では、既知のシンノミイオティクスであるフラクトオリゴ糖(FOS)とBifidobacterium breve JCM1192Tと腸内挙動を比較することで、DFAIIIとRuminococcus productusAHU1760が、新たなシンバイオティクス(善玉菌と難消化オリゴ糖の組み合わせ)となる可能性を検証し評価した。試験は5週齢のSD系雄ラット用いた。標準食を対照群とし、加えてDFAIIIとR. productsu AHU1760の投与群、さらにFOSとB. breveJCM1192Tの投与群を用いてシンバイティクスの評価を行った。また試薬のFOSにかえて自然素材のヤーコンも比較試験した。油脂を添加した高脂肪餌条件でもラットを飼育した。30日間の試験飼育を行い、その間のラットの健康状態、解剖後の消化管内容物の多岐にわたる項目を試験した。いずれのシンバイオティクスでも糞便、盲腸内容物のpH低、有機酸量の増加がみられ旺盛な腸内発酵を裏付けた。微生物は盛んに生育して腸内環境を健康な状態へと変化. 維侍させていた。DFIIIとR. productsAHU1760の組み合わせの方が腸内発酵性は優秀で、特に高脂肪食のストレスの高い腸内環境でも優れた腸内発酵を示した。血清コレステロールの減少傾向も観察された。試薬FOSと比較して等量のFOSを含宥するヤーコンパウダーの摂取は、より速い菌叢変化を起こし、ヤーコン含有物の複合効果が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ruminococcus属菌が豊富な腸環境とBifidobacterium属菌が豊富な腸内環境を作り分けることに成功した。それらの比較をおこなったところ、通常環境では、両者とも盛んな腸内発酵を起こして、豊富な有機酸を精製して、大腸の酸性化が進み健康にプラスの影響を確認できた。加えて、高脂肪食のストレス環境では、前者の環境が勝っていた。さらにFOSを豊富に含有するヤーコンを与えると、FOSよりも速い速度で腸内微生物叢の変化が起こることも証明できた。よって計画は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
学会発表などを行う
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表などに使用する
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