2011 Fiscal Year Research-status Report
出芽酵母オートファジーにおける小胞輸送ネットワークおよび膜融合機構の役割
Project/Area Number |
23580099
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新谷 尚弘 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70374973)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | オートファジー / 出芽酵母 |
Research Abstract |
出芽酵母を用いて、オートファジーの過程で形成されるオートファゴソームの形成に、小胞輸送における膜融合装置であるSNAREが関与するか解析した。また、オートファゴソームの前駆膜構造体であるPASの単離を試みた。出芽酵母に存在する24のSNAREのうち、19のSNAREの機能不全変異株を入手し、オートファジー活性の低下が見られるか解析した。大部分の変異株において、オートファジー活性の低下が確認された。特定の輸送経路に関わるSNAREの変異株においてオートファジー欠損が見られた訳ではないことから、小胞輸送ネットワークの不全による脂質膜のPASへの供給の低下がオートファジー不全に繋がったと考えられた。次に、オートファゴソームの膜脂質の起源を解析するため、PASの単離を行い、同構造体に含まれるタンパク質の解析を行った。オートファジーに必須なAtgタンパク質群の大半はPASに局在する。その中から、膜貫通タンパク質であるAtg9を選び、エピトープタグを融合したHA-Atg9を発現させた。細胞抽出液から、抗HA抗体でコーティングした磁気ビーズを用いて、HA-Atg9を含む膜構造体を分離した。対照実験として、エピトープタグを融合していないAtg9を発現する細胞を用いて、同様の実験を行った。分離した膜構造体から、非イオン性界面活性剤(Triton X-100)、イオン性界面活性剤(SDS)順を用いて順次タンパク質を溶出した。この画分に対して、種々のオルガネラマーカータンパク質に対する抗体を用いて、ウェスタンブロット解析を行ったところ、主に、ゴルジ体やエンドソームのマーカータンパク質が存在することが明らかとなった。このことから、ゴルジ体やエンドソームが主要なオートファゴソームの膜起源であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り研究は進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
膜構造体(PAS)の単離実験を繰り返して行い、再現性よくPASを分離できる方法、手技を確立する。PAS画分に含まれるタンパク質、リン脂質の網羅的解析を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、プロテオーム解析、リピドーム解析並びに電子顕微鏡観察(研究計画通り)に経費を使用する予定である。
|