2013 Fiscal Year Annual Research Report
ビルレントファージを用いた遺伝子発現系の構築とその応用
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23580100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 淳 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30221188)
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Keywords | 納豆菌ファージ / 感染補助因子 / 遺伝子発現 / 形質転換系 |
Research Abstract |
(1) 1-3.φNIT1のゲノム解析と感染補助因子の探索:pghPを保有し納豆菌にも感染できる枯草菌ファージφSP50の部分ゲノム解析とビリオンタンパク質解析の結果、φNIT1 とφSP50は同系統であること、φSP50はlevPを持たず、制限酵素切断パターンが納豆由来のpghP, levPを保有する9株のファージとは異なることが明らかになった。両ファージでpghP遺伝子および推定プロモーター領域は一致していたが、φNIT1でPghPの下流に存在するISはφSP50には無く、本ISはPghP獲得に関与していないと推定された。現在φNIT1ゲノムに関する論文の投稿作業を進めている。 4. 宿主認識機構の特定:カロトボリシンを応用した宿主認識タンパク質の機能解析系を新たに開発し、推定尾部繊維ORF1166のC-末端側1.6kbを納豆菌認識の必須領域として絞り込んだ。現在φSP50 との比較から納豆菌認識配列の解析を進めている。 (2) pghP及びその他の感染補助因子の発現調節機構の解析:lacZをレポーターとしたプロモーターと融合したプロモーターモニター株の作成を進めた。枯草菌でのモニター株では、pghPの遠位プロモーターは構成的に発現すること、pghP近位プロモーターおよびlevPプロモーターはφSP50感染では作動しないことが明らかになった。枯草菌ではφSP50感染に伴うpghP発現が見られず、これら遺伝子の発現に関与する納豆菌側のトランス因子の存在が示唆された。さらに納豆菌の形質転換高率が極めて低いため、枯草菌ISW1214株で作成したモニター株を介した納豆菌モニター株構築系を確立した。しかし、得られた納豆菌モニター株はφNIT1感染で応答せず、pghPとlevPの発現には、導入したプロモーター領域外のシス因子の存在が示唆された。現在それら因子の解析を進めている。
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Research Products
(1 results)