2012 Fiscal Year Research-status Report
発生期腎臓血管網を解析するシステムの開発および血管ネットワークの構築
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23580129
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
王 碧昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (80261775)
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Keywords | 鋳型血管観察法 / angiogenesis / vasculogenesis |
Research Abstract |
腎萎縮、結石および壊死に起因する血管網障害を治癒するたま、血管網の再生が重要な課題であり、血管網の時空間的形成機序の解明が糸口である。本研究の目標は、マウス胎児のin vivoイメージングに必要な低新宗技術を樹立し、可視化システムを開発する。初年度は既に血管網の鋳型作成法と鋳型血管観察法を開発した。今回は開発された鋳型血管観察法を利用して、これまで論議されて未解決の腎臓血管起源であるangiogenesis(血管侵入説)とvasculosgenesis(内部血管新生説)の優先順序を解明し、また、前回開発した蛍光鋳型法をさらに改良し、低コストのインク鋳型法を開発し、angiogenesis開始の初時刻まで解明した。さらに得られた結果であるangiogensesisの優先発生に基づき、太い血管の体内移植によるりvasuculogenesisを誘導するかどうかも明らかにした。上記の成果を平成24年6月に日本透析医学会、7月に第6回ナノバイオメディカル学会、9月に第44回化学工学会、第21回日本次世代人工腎臓研究会、韓国で開催された国際学会IBS(International Biotechnology aymposium、10月に日本生物工学会、日本で開催された国際学会YABEC2012 (Young Associtaion of BioEnginering Committee)、平成25年2月に日本化学工学会つくば学生研究会、3月に日本顕微鏡学会バイオメディカルニューマイクロスコープ分科会シンポジウム,つくば技術懇話会で其々発表した。またこれらの結果をまとめ、現在論文を作成し、今年度学術国際誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は初年度において、血管網形成時の低侵襲・可視化システムを計画通り開発したため、今回は開発したシステムを用い、去年度の鋳型技術をさらに改良した。 ①まず、低コストのインクと樹脂を混合する鋳型作成法を考案し、臓器を透明にさせるスケルAといった操作を導入した。この方法により、不透明な臓器内部の映像が取れるようになった。 ②次に、腎臓発生最初期の時間を計算し、妊娠マウスE11.5-E14まで8時間毎に鋳型剤を胎盤介入法により背側動脈が発生初期腎臓の血管へ最初に侵入した時刻を可視化した。 ③またRT-PCRにより、angiogenesis(血管侵入説)とvasculosgenesis(内部血管新生説)の血管初期、中期、後期因子の発現を調べ、両者発生の優先順序を突き止めた。 ④上記③の結果によりangiogenesisはvasculogenesisより優先的に腎臓内で進むことにより、太い血管を生体内に移植し、血管が分岐し、周囲に微小血管網の形成を確認したため、時空間的にangiogenesisは腎臓血管形成に重要であることを示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
低侵襲in vivo 腎臓血管鋳型観測システムを開発し、腎発生時血管形成のangiogenesisとvasculogenesisの優先順序を明らかになったものの、尿管周囲に絡んでいる微小血管網はいつ、どのように形成されたか、まだ解明されていない。これらの微小血管網は生体内に必須の小分子成分やイオンを尿細管内部から再吸収し、生体内に戻す重要な役割を果たすため、糸球体血管との繋がりとクロストークの形成を明らかにする。方策として、in vivoとex vivo両方から迫る。in vivo systemでは、angiogenesisからvasculogenesisに関わる血管網誘導因子を着目し、胎児へのelectroporation手法により、生体腎に導入観測する。ex vivoシステムは生体を模倣する拍動流の物理条件環境を作成し、発生初期腎血管、骨髄細胞、尿管芽を用い、どこまで腎血管網が形成できるかを検証する。また、形成された素子kいを生体内へ移植し、成熟血管網の形成を確認し、腎血管再生の可能性を探求する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(10 results)