2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23580130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊原 さよ子 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (80292788)
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Keywords | 細胞骨格 / 重合 |
Research Abstract |
SWAP-70は刺激依存的な細胞形態変化に関与することが明らかになっており、その機能は膜やアクチンの制御を通じて行われると考えられてきた。最近、SWAP-70の新たな性質として自身が重合能をもつ可能性を見いだしたため、本研究では細胞形態変化との関連について明らかにすることを目指す。 本年度は前年度に引き続き、in vivo 重合活性検出系を用いて重合の調節制御機構に関する解析を行った。SWAP-70に点変異を導入し、様々なシグナル分子との結合能欠失変異体を作製したのち、SWAP-70欠損マウス繊維芽細胞に導入し、安定発現細胞株を取得した。まず、これらの細胞株における増殖因子刺激依存的なSWAP-70の重合能を解析した結果、ホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸、および、低分子Gタンパク質、Racの活性化型のそれぞれとの結合が失われた変異体発現細胞株において、SWAP-70の重合活性が低下しており、後者はその傾向がより顕著であった。さらに、これらの細胞株において、刺激依存的な形態変化が起きるかどうかについて調べた。増殖因子刺激依存的なラッフリング形成能を解析した結果、活性化型Racとの結合能欠失変異体発現細胞において、ラッフリング形成能の低下が認められた。以上の結果から、SWAP-70は、増殖因子刺激によって活性化されたRacによる調節をうけて重合し、その重合体が刺激依存的細胞形態変化に関与する可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitro重合検出系において、全長タンパク質による活性検出の条件検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究結果をふまえ、in vitroの系における重合の再構成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
着目するタンパク質に関する他グループによる新知見の報告があったため、当初、今年度行う予定であった一部の解析に先立ち、そ検証実験を行う必要性が生じた。それに伴い、計画の一部は次年度に持ち越すことになった。 今年度本研究で得られた知見、および、他グループによる知見をふまえた上で,in vitroにおける重合解析をおこなう。このため、主に、分子生物学実験、生化学実験に必要な試薬、消耗品類、および、構造解析の受託費用に使用する予定である。
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