2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群新規治療法を目指したβ酸化調節鍵因子ACC2の発現制御機構解明
Project/Area Number |
23580139
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 光博 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 教授 (10450842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 耕吉 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10468506)
|
Keywords | 胆汁酸 / 肝臓 / 脂肪酸合成 / アセチルCoAカルボキシラーゼ |
Research Abstract |
本研究は、脂肪酸合成の律速酵素でありエネルギーセンサーでもあるAcetyl-CoA Carboxylase 2(ACC2)の遺伝子発現が胆汁酸投与により抑制されるとの知見、ならびにマウス肝臓においてACC2の発現に2つの異なるプロモーター領域が関与しているとする知見を足掛かりとし、ACC2遺伝子発現制御により脂肪肝やメタボリックシンドロームの治療への新たなアプローチを提唱することを目的とするものであった。平成24年度末までにマウスACC2遺伝子の2つの異なるプロモーター領域のクローニング、各プロモーター領域の転写活性に関する検討(野生型マウス肝臓初代培養細胞および肝細胞系培養細胞株を使用)、ACC2遺伝子発現パターンの検討(2つの異なるプロモーター領域のそれぞれについて)を実施し、マウスACC2の2つのプロモーター領域が、特に絶食時/飽食時の様々な遺伝子の発現パターン変化において役割を分担している可能性が示唆された。 本研究の最終年度となる平成25年度は、胆汁酸受容体の遺伝子改変動物(膜型胆汁酸受容体TGR5ノックアウトマウス、核内受容体FXRノックアウトマウス)を用いた検討、ならびに2つのプロモーター領域のそれぞれに特異的なsiRNAを用いた検討を予定していた。TGR5ノックアウトマウスおよびFXRノックアウトマウスを用いた検討では、ACC2遺伝子発現パターンについて、野生型と比較して明らかな変化を指摘できず、これらの受容体を介するシグナル伝達系の関与は明らかではなかった。また、siRNAを用いた検討については、2つのプロモーター領域のいずれもきわめて限定的な配列であるため効果的なRNAiを実施することができなかった。本研究の完遂には、別の胆汁酸関連シグナル(FGF受容体、核内受容体PXR/CARなど)を介する系についての検討、および新たなsiRNAの設計が必要である。
|
Research Products
(21 results)
-
-
[Journal Article] Cysteine sulfinic acid decarboxylase regulation: A role for farnesoid X receptor and small heterodimer partner in murine hepatic taurine metabolism.2013
Author(s)
Kerr TA, Matsumoto Y, Matsumoto H, Xie Y, Hirschberger LL, Stipanuk MH, Anakk S, Moore DD, Watanabe M, Kennedy S, Davidson NO.
-
Journal Title
Hepatol Res
Volume: Epub ahead of print
Pages: e1-11
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Bile acids increase levels of microRNAs 221 and 222, leading to degradation of CDX2 during esophageal carcinogenesis.2013
Author(s)
Matsuzaki J, Suzuki H, Tsugawa H, Watanabe M, Hossain S, Arai E, Saito Y, Sekine S, Akaike T, Kanai Y, Mukaisho K, Auwerx J, Hibi T.
-
Journal Title
Gastroenterology
Volume: 145
Pages: 1300-1311
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
[Journal Article] Tysnd1 deficiency in mice interferes with the peroxisomal localization of PTS2 enzymes, causing lipid metabolic abnormalities and male infertility.2013
Author(s)
Mizuno Y, Ninomiya Y, Nakachi Y, Iseki M, Iwasa H, Akita M, Tsukui T, Shimozawa N, Ito C, Toshimori K, Nishimukai M, Hara H, Maeba R, Okazaki T, Alodaib AN, Al Amoudi M, Jacob M, Alkuraya FS, Horai Y, Watanabe M, Motegi H, Wakana S, Noda T, Kurochkin IV, Mizuno Y, Schonbach C, Okazaki Y.
-
Journal Title
PLoS Genet
Volume: 9
Pages: e1003286
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] 胆汁酸吸着レジンの抗肥満効果における腸内細菌、腸内環境の意義 腸管分泌Fiafの新規肥満形成機構の解明.2013
Author(s)
楠本 幸恵, 入江 潤一郎, 田川 裕恒, 伊藤 新, 加藤 麻里, 小林 奈奈, 田中 久美子, 森永 理恵子, 藤田 真隆, 山田 悟, 河合 俊英, 尾池 雄一, 渡辺 光博, 伊藤 裕.
-
Journal Title
日本肥満症治療学会学術集会プロ グラム・抄録集31回
Volume: 抄録集
Pages: 117
Peer Reviewed
-
[Journal Article] 腸管分泌Angiopoietin like 4による新規肥満治療戦略. 肥満研究2013
Author(s)
楠本 幸恵, 入江 潤一郎, 田川 裕恒, 伊藤 新, 加藤 麻里, 小林 奈奈, 田中 久美子, 森永 理恵子, 藤田 真隆, 山田 悟, 河合 俊英, 尾池 雄一, 渡辺 光博, 伊藤 裕
-
Journal Title
肥満研究
Volume: 19
Pages: 136
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Remarks] 1