2012 Fiscal Year Research-status Report
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23580153
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
久城 哲夫 明治大学, 農学部, 准教授 (80373299)
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Keywords | メロテルペノイド / 糸状菌 / テルペン環化酵素 / ポリケタイド / 生合成 |
Research Abstract |
糸状菌の生産するメロテルペノイドには、顕著なコレステロール低下作用を有するピリピロペンや、タンパクのファルネシル化阻害作用を有するアンドラスチンが存在し、医薬品資源として大変重要な化合物である。糸状菌Aspergillus fumigatusの生産するメロテルペノイド、ピリピロペンの生合成遺伝子が同定され、この中にはトランスポーター様新規テルペン環化酵素(Pyr4)が含まれていた。本酵素と類似のタンパク質が他の糸状菌のゲノム上にも見出されており、やはりメロテルペン生合成遺伝子と思われるクラスター内に存在することから、これら酵素の機能解析を行うことで、反応や基質特異性に関与する部位が明らかになるものと期待される。 A. fumigatusのゲノム中には、ピリピロペンとは異なる第2のメロテルペン遺伝子クラスターが見出された。本クラスターにはゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素(GGPS)(Afu8g02400)、ポリケタイド合成酵素(PKS)(Afu8g02350)、プレニル基転移酵素(PT)遺伝子(Afu8g02410)が含まれていたため、ピリピロペンとは異なりポリケタイド部分にジテルペンが結合した構造を有する化合物を生産するのではないかと推測された。そこで、本クラスター内のPKS遺伝子の機能解析を行った。Afu8g02350の全長cDNAをA. oryzae発現用ベクターであるpTAex3Rに導入し、A. oryzae M-2-3株を形質転換した。形質転換体を誘導培養後、菌体を酢酸エチルで抽出し、TLCならびにLC-MSで分析したところ、導入遺伝子特異的な産物が確認され、本化合物がtriacetic acid lactone (TAL)であることが明らかとなった。TALは3分子のmalonyl-CoAが縮合後、酵素から遊離しラクトン化して生成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A. fumigatusのゲノム中から見出された第2のメロテルペン遺伝子クラスターに関して、PKS遺伝子の機能解析に成功したことにより、ピリピロペンとは異なるメロテルペンであることが判明し、本クラスター内の新規テルペン環化酵素の機能に関する手がかりを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、A. fumigatus由来の第2のメロテルペン生合成遺伝子クラスター内の遺伝子の機能解析を進めていく。PKSの産物であるTALにテルペンユニットを結合させるプレニル基転移酵素の機能解析を中心に検討していく。また、Fusarium graminearumのゲノム中に見出されたメロテルペン生合成遺伝子クラスターの機能解析も併せて検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はプラスミド作製、糸状菌での発現機能解析が中心となるため、分子生物学と生化学の消耗品試薬の購入が主な使途となる予定である。
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Research Products
(1 results)