2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580153
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
久城 哲夫 明治大学, 農学部, 准教授 (80373299)
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Keywords | メロテルペノイド / 糸状菌 / テルペン環化酵素 / ポリケタイド / 生合成 |
Research Abstract |
糸状菌の生産するメロテルペノイドには、コレステロール低下作用を有するピリピロペンなど医薬品資源として大変重要な化合物が存在する。糸状菌Aspergillus fumigatusの生産するメロテルペノイド、ピリピロペンの生合成遺伝子が同定され、この中にはトランスポーター様新規テルペン環化酵素(Pyr4)が含まれていた。本酵素と類似のタンパク質が他の糸状菌のゲノム上にも見出されており、やはりメロテルペン生合成遺伝子と思われるクラスター内に存在することから、これら酵素の機能解析を行うことで、反応や基質特異性に関与する部位が明らかになるものと期待される。 A. fumigatusのゲノム中からは、ピリピロペンとは異なる第2のメロテルペン生合成遺伝子クラスターが見出された。本クラスター内のポリケタイド合成酵素(PKS)は、triacetic acid lactone (TAL)を生成したことから、このクラスター内のゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素(GGPS)(Afu8g02400)とプレニル基転移酵素(PT)(Afu8g02410)は、ゲラニルゲラニル基を生成しTALに縮合させることが期待された。そこで、GGPSとPTの全長cDNAをクローニング後、発現ベクターを構築しPKS遺伝子と共にA. oryzae M-2-3株にて発現を試みたが、生成物を確認することはできなかった。一方、農業上重篤な問題を引き起こすコムギ赤カビ病の病原菌であるFusarium graminearumのゲノム配列中からも、興味深いメロテルペン遺伝子クラスターが見出された。本クラスター中の新規テルペン環化酵素(FgCYC)は、N末側にデヒドロゲナーゼと相同性のあるタンパクを融合した新規な構造を有していた。そこで、クラスター内のPKSの機能をまず解析するため、遺伝子のクローニングと発現用のベクターの構築を行った。
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